Jazz Rock 商売、商売の巻
ゆうけいさんが僕の拙文にトラックバックしてくださったので、中々まとまりがつかないが何か書いてみよう、ということなんですが:
Jazz RockとFusionということで適当な資料を挙げて見たという程度しか僕は書いていないわけだが、確かにゆうけいさんのおっしゃるとおりで僕が70年代に体験してきたクロスオーバーなりフュージョンという音楽もロック側からどうこうという記憶はほとんどなくて、ジャズにおける動きだったと思う。ただし、僕自身はロックシーンについて当時のことはほとんど知らないしそちらを見ていたわけでもないから、僕の目から見ればジャズシーンのことしか頭にないわけで、それも当たり前ともいえるのだけど。
だからゆうけいさんが挙げられたブリティッシュロックなりのプレイヤーなども名前を知ってる人もいるかな、というくらいでしかないので申し訳ないですが。ジェフベックと聞くと、ジョーベックというギタリストもいたのを知ってるかい、なんてマイナーな話しか思い浮かばないな。
それと、僕自身はまともにジャズを聴き始めたのが71年、それも大学の軽音楽部に入って演奏を始めることと同期しているから、いわゆるジャズファンとして聴いたことはあまりなくて、自分の楽器や演奏するということに関連しての聴きかただったので、かなり偏っているといわざるを得ないだろうな。
という話は長くなるから、またそのうちにということにして「フュージョンは商業ベースにのるためか」というゆうけいさんの命題について考えてみよう。
これはかなりヘビーな課題なのでおいそれとは扱えないが、まず芸術家と呼ばれる人は商業ベースに乗ることを第一と考えるのかどうか、という命題がある。プロという語を使うとこれはまず商業ベースに乗るかどうかが大きな問題だろうが、それならジャズをやる必要はないと思う。ジャズなんてほとんどの時代を通じてマイナーで商業的に成功しようと思うならあまりいいジャンルとはいえないはずだ。
というようなもっともらしいことを書くと全く月並みな論調になってしまうが、芸術家と呼ばれる人はそれがなければ生きていけない、という人種であるということをその道の人に聞いたことがある。だからジャズプレイヤーが商業的に成功したいという気持ちは持っているのは確かだとしても、それが第一なのかどうかというと、それは違うだろうと僕はいわざるを得ない。
ではなぜWeather ReportやReturn to Foreverなんてのが出てきたのかというと、やはり屁理屈にしかならないが人々に受け入れられる音楽を見直したということだろうと思う・・・それが商業ベースにのるということだ、と反論されるだろうけどね(;^^;)。
そしてその結果として出てきた音楽がロックとの融合であるのかはたまたそれ以外なのかはそれぞれのプレイヤーの生き方の結果なのだと思う。
なぜ「人々に受け入れられる音楽を見直した」ということになるかといえば、60年代に起こっていたいわゆるフリージャズ、アバンギャルドジャズ(そんな語があったかな?)の閉塞感、行き詰まりからの脱却だったろうと思う。詳しいことは実は僕も知らないからいい加減な憶測でしかないのだが、現代音楽などの影響を受けたフリージャズが難解というか、わけが分からんという状態になっていき、一般のジャズファンから遊離していった反動として必然的にWRやRTFが出てきた、というのが多分当時の世の見方だったと思うし、僕もそう思う。
僕は先にも書いたように、WRやRTFが出てくる時代、あるいはGary Burtonなどがロック色の濃い音楽を盛んに演奏していた時代からジャズに入り込んだので、これが自分のジャズのベースになっているが、それ以前からジャズに入っていた人々にとっては、これはジャズの終焉であったかもしれない。これはゆうけいさんのおっしゃる『「イーグルスが「ロックスピリットは69年で終わった」と歌い・・・』とよく似ている。
このあたりはたかけんさんなんかどう思ってるのか聞いてみたいところだな、なんてね(;^^;)。ニフティーサーブのFJAZZで過去ログを調べれば結構こんな話題も出てくるんだろうが、ちょっと時間がない。
ゆうけいさんのご意見を引用させていだたくと:
------------
フュージョンというと単純にロックとジャズの融合と思われがちですが、こう考えてみると殆どジャズ側だけでの出来事だったのではないでしょうか。まあ、一言で言えば「ジャズの電化運動」でしょうか。
-----------
既に書いたように、前半部分についてはその通りだと僕も思う。しかしフュージョンが「ジャズの電化運動」であったかというと、それは否といいましょう。しかし長くなるのでまた今度にしますが、僕ではなくまたGary Burtonに語ってもらうことにしよう、なんてね、単に彼の言葉を引用してみます、ということですが。
もう一つ、ゆうけいさんのご意見:
-----------
ロックに席巻されたマーケットの挽回、すなわち生き残りをかけたジャズ側の反撃だったのかもしれません。
-----------
どうでしょうね、僕はそんなにたいそうなことを考えていたは思えない、というかもともとジャズのマーケットがロックに席巻されたということはないでしょうし、だから挽回というのもありえない。単にマイナーであったというだけではないのかな。あえてそれに似た言い方をすれば、新しいマーケットの開拓というところじゃないかなぁ。なんだかビジネス論議みたいになってきたな(;^^;)。
| 固定リンク
| コメント (7)
| トラックバック (0)
最近のコメント