Jazz Rock Tribeの巻
Jazz Rock(August 28, 2004)の続きをやっと書くことになった、というかほったらかしだったけど。
Jazz Rockという言葉は今ではほとんど死語という気がするがどうなのかな。70年代にはクロスオーバーとかフュージョンなどという言葉が出てきて、音楽自体も変わっていったのだと思うが、それがいつごろに出てきたのかという話。
僕が持っているレア盤(LP)にHoracee Arnoldの「Tribe」という1973年のアルバムがある。当時を知る人がメンバーを見ればほとんどの人は凄いと思うよね。
錚錚たるメンバーたち:上段左から
Horacee Arnold (ds), Ralph Towner (guitar)
Billy Harper (t.sax), David Friedman (vib, marimba, etc), George Mraz (bass)
写真以外に:
Joe Farrell (fl, sax), Ralph MacDonald (percussion)
内容については、ま、こちらに書かれている通り、え~、このメンバーなのに? うーん、ちょっとねぇ、というものだが、それはHoraceeのリーダーとしての限界なのかプロデューサーの問題なのか。CD化されていないというのも仕方がないかもね。
さて僕の持っているCBS Sony盤のライナーノーツに岡崎正通氏が次のような言葉を書いている:
■ホーレス・グループの音楽
"私は融合音楽(Fusion Music)を演奏する。それは私のあらゆる体験の表現である。さまざまな体験をし、私が変わってゆけばサウンドも変化してゆく。"とホーレス・アーノルドは語っている。
これがおそらくこの時期にFusionという語が出てきたのだろうという一つの証左だと思うのだ。それは岡崎氏が「融合音楽(Fusion Music)」などという妙な日本語に英語をカッコつきで書いているところに現れている。つまり評論家である岡崎氏もまだFusionという新しい語をどう日本語として表現すべきかが分からないものの、どうも米国ではこのような新しい音楽が出来つつあるようだ、という曖昧な認識をそのまま文字にしてしまったのではないか。
だからFusionという語がこの頃に出てきたのだと僕は思う、というだけのために出してきたアルバムだが、ジャケットはルソーばりの南国っぽい絵で気に入っている。LPなのでスキャナーに収まりきらないから部分しかないけど画像はこちら。
ジャケットの全体像はこちらにあるがしかし、このリンク先にもなぜか "Jazz Rock 1973" と書かれていますね(;^O^;)。
クロスオーバーの方はいつごろなのかはよく分からないが、この言葉を聞いて思い出すのはCTIレーベルとその前身になるA&Mのクリードテイラーだ。A&Mでクリードテイラーがプロデュースしたウェスとかジョビンなどは、ストリングを使ったややイージーリスニング的なジャズやボサノヴァだったが、CTIとして独立したあとはジャズよりながら色々な要素の入った音楽になっていたと思う。
僕はあまり好きになれない面もあってCTIはそれほど聞いていないが、スティーブガッドやグローバーワシントンなどが注目された頃はクロスオーバーと言っていたような気がする。Wilkipediaにも少々の説明があったが正しいのかどうかは分からないね。
クロスオーバー/Wikipedia
フュージョン/Wikipedia
Wikipediaにもあるように、クロスオーバーが先でその後フュージョンという語が出てきたと思うのだけど、米国でもフュージョンは70年代終盤とある。しかしTribeは1973年だから、言葉としてはもっと早く出てきていたことになるな。
さて、Fusionについてもう一つちょっと目先の変わった話があるのでまた今度書いてみようと思う、いつになるか分からないけど。
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