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2004/10/24

Jazz Rock 番外:赤松氏からのコメント

以前にちょっと書いたのですが、10/6にジャズ・ヴァイビストの赤松敏弘氏の「ヴァイブクリニック in 大阪」に参加しました。クリニックの内容はJVAのサイトに企画されたJVAメンバーからのレポートがアップされています(ずっとアップされているわけではないらしいけど)。

赤松氏は四国の松山出身で中学からvibを始められ、バークリーでGary Burtonに師事し、現在4本マレットのJazz Vibistとして最も注目され活躍されている方です。

その赤松氏からクリニックの後、丁寧なメールをいただいた上にFusionについて主に前回の記事に関連してコメントまでいただきました。そこで氏の了解を得て一部をここに掲載させていただきます。という次第で今回は「です、ます」調の丁寧表現にしています。

<引用>
(前半略)
補足しますと、テネシー・ファイアー・バードの半年前(1966年4月)に録音されたThe Time MachineというアルバムがゲイリーのFusionの原点かもしれません。この作品はレコーディング技術を駆使したオーバーダビング(当時としては珍しい録音テクニック)でヴァイブの他にピアノやマリンバまで重ねています。(メンバーはスワロウとバンカーの三人)マイク・ギブスの曲ではテープの逆回転から倍速再生まで使っています。融合という意味でこの二つのアルバムは対極を成すものでしょう。

僕は最初に「サイケデリック・ワールド」と題された67年のLofty Fake Anagramから前後にアルバムを聴き始めました。(ラリー・コリエルを追っかけて聴いたのは69年の事です)
四国の松山で、よくこういうレコードが手に入ったものだと思うでしょうが、意外と市内にはジャズ喫茶が12~3軒あり案外とジャズは身近だったのです。
その頃に受けた刺激は今日でも忘れる事がなく、ジャズは常に融合を繰り返す音楽だと認識しています。そうでなければ東洋の日本人が本気で手を出せる音楽ではないと思えるからです。
根底にあるのは、同じコードを弾いても僕らは東洋人の感性を感じる事が出来るから面白い!!なのです。ゲイリーが僕らの演奏をこよなく愛してくれるのも、自分のそっくりさんではない個性を感じてくれるからだと思っています。

Fusionという音楽の認識は人によって解釈に大きな違いがありますね。述べられている通りです。
定義を持たないものであればFusionと考えると、ECMもJazz&RockもFusionと言えますね。
(中略)
Jazz&Rockは融合という部分で有機的に行われたものとセールスを意識してビジネス的に行われたものが混同していますね。それを見ると出発点は全て60年代のコルトレーンの頃からかもしれません。今日国内ではFusionと言うとある特定のリズムを伴う音楽を演奏するバンドの事と受け取られますが、ミュージシャン側ではジャズをルーツとした融合音楽全てを示す点で温度差があるのが残念で、アメリカではミュージシャン側の意識である程度見解が統一されている点が異なります。
ミュージシャンもいろいろです。リスナーもいろいろです。だから、ただ「いろいろ」と言ってたのでは音楽で路頭に迷ってしまいますから、自分の所在を明確にする時代だとも言えます。

個人的な事を述べると、自分が音楽を意識するようになった時期からの影響をまとめて行くように思えます。なので自分が生まれる以前の音楽に関しては興味が沸かないと言ってもいいんじゃないかと思っています。但しクラシックのように時代を超えてもその時代の響きが頭の構造が異なる時代に残る物を除いて。チャレンジと共にこれから自分の向かうべき方向がゆっくり見えて来てもいいんじゃないかという気がしています。

スリー・ブラインド・マイスというレーベルに移った時に周りから意外だと言われました。70年代に日本の一つのレーベルとして築かれた印象が今日も消えないのでしょう。しかし、ある意味で唯一ECMと同じワンマン社長による経営で成り立った数少ないジャズ専門レーベルが現在も存続する為には、かつてそれを耳にしていた僕らがアイデアを齎す順番になったという事だと思っています。それはレーベルの根底にFusionというものが感じられたからなのです。次作の次はわかりませんが、Fusionというもので成り立つ僕らが感じるジャズをもう一つココで描こうと思っています。
まぎれもなく僕らはFusion世代なのです。

あかまつ
<引用終わり>

Jazzを真摯に追求されているミュージシャンの考えが心に響きます。僕がこれ以上に書くことなどできもしないし何もありませんが、最近、仕事上で色々と世知辛いことが多かった中で、赤松氏の、「ジャズは融合を繰り返す音楽」、「自分の所在を明確にする時代」、「まぎれもなく僕らはFusion世代」などの言葉に何か見失っていた自分のアイデンティティーを思い起こす気がしました。クリニックでもそうでしたが、コメントからもたくさんのエネルギーをいただいた気がします。超多忙と思われるのに、ご丁寧なメールを何度もいただいた赤松氏に重ねて感謝しています。

time_machine-s右はアルバム "The Time Machine" 完成度の高いアルバムですが残念ながらCD化されていません。ヴァイブを始めた頃、このジャケットをみて4本マレットの持ち方を研究したことがなつかしく思い出されます。赤松氏も同じように研究されたそうです。今の時代はあらゆる情報が簡単に手に入り便利になりましたが、限られた情報から自分で工夫していくということがなくなってきたという気がします。

RCA時代は最もバートンらしいアルバムが多いと思います。ジム・ホールらと共演した "Something's Coming"も是非CD化してほしいアルバムです。

さて、赤松氏のサイトにある音楽体験記-2を読んでびっくりしたのは、僕が初めてGary Burtonの公演を聴きにいった1975年だったか、大阪サンケイホールでのコンサートに何と赤松氏も来られていたのでした。ずいぶん昔に近接するもこの歳まで遭遇せずというのか、何とも不思議な気がします。このコンサートの状況は実はNiftyServeのJAZZフォーラムに書いたことがあるので、いずれまたここに掲載したいと思います。

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