新年、明けましておめでとうございます。。。とはいえ、どのくらいの方が読んでくださるのか分かりませんが、本年もよろしくお願いします。
さて、例年のごとく年末年始の休みは何ということをすることもなく今日で終わりとなってしまった。いつも休み前には仕事関係のこともしなければと書類とかファイル(最近はメモリースティック)を持って帰るのだが、今回も結局一度も開くことなく終わりそうだ。うーむ、やはり家に帰ってまで仕事をする人間ではないのだな。
毎度のことながら、録画していた番組やDVDやヴィデオの映画などの鑑賞でほとんど終わりそうだが、大晦日にあわててアップした「SOLARIS」もその一つ、そしてその連想から正月明けには「2001:a space odessey/DVD」が735円で出ていたのをつい買ってしまった。
"2001・・・"のことも書いてみようかとも思ったが、昨日のCATVで録画した"All the pretty horses"について書いてみよう。しかし考えてみると、小学生の頃は読書や映画鑑賞の感想文なんて誰でも苦手で書きたくもなかったのに、なんでネットでは書きたくなるんだろうね。
これまでもそうだが、映画とかについて書くときはネットで他の人がどう評価しているかを見てしまう。それによるとこの映画はもう一つのようだ。画面がきれいという話はあるけど。全般に中途半端という評価が多いが、4時間もあったものを半分くらいにカットしているためもあるらしくディレクターズカットの長編DVDを出す話もないことはないらしい。いずれにしろ、原作があってそちらは素晴らしいという評価だ。
(2016.3.3 YouTube予告編追加)
まぁ中途半端といわれればそうかもしれないが、僕は結構感動した。恋愛とか獄中の話とか結構設定が盛りだくさんではあるんだけど、そういうごちゃごちゃは意外と気にならずむしろ主要登場人物3人の男のそれぞれの性格がよく描き分けられているし、他の登場人物もそれなりに興味深い。ラヴストーリーも評価は分かれるだろうが、意外とさらりとすり抜けていった。
そんなことより、今時のSFXや派手なアクションに頼らない映画として評価してもいいのではないかと思う。ま、原作がしっかりしてるってことなんだろうけど、こういう映画を作れるってところがまだまだアメリカ映画の底力のあるところだろう、な?
この映画で僕が一番気になったのは、実は主人公のJohn Grady Cole(Matt Damon)ではなくて脇役でトラブルメーカーのJimmy Blevins(Lucas Black)だったのだが、BlevinsもGradyもそれぞれに自分のエゴをつらぬこうとするある種の真っ正直さと破滅性、未熟という表現もできるのだろうが、そこに僕自身の生き方を比較して、生きることとかうらやましさを感じたりもする。設定としてはよくあることだろうが、そこにもう一人の脇役Lacey Rawlins(Henry Thomas)がバランス=常識あるいは良心を演じているのも何だか人生を表しているようで面白かった。
こんな見方で映画を見た人はあまりいないかもしれないが、Blevinsは世の中でどれほどの意味があるというわけではないだろう、その他大勢のはみ出し者、邪魔者でしかなく、そのように終わってしまうのだが、それでも生きているエネルギーとかエゴを十分に発散していて、演じたLucas Blackは素晴らしいと思う。
評判良くないこの映画に感動したのは、その前に家人が借りていた「タイムライン」を見ていたからかもしれない。「タイムライン」はまさに最近のSFXやアクションの映画だが、それだけの話であって内容がどうこうと語る価値のある映画ではない(ただし中盤以降にある城を攻めるシーンは見ごたえがあります)。話は典型的なハリウッドご都合主義特撮映画で、自分勝手な老考古学者を助けるために将来有望な若者が死んでいくという、本題はとても馬鹿馬鹿しい話だ。
ハリウッドご都合主義映画ではそれぞれの登場人物の命の軽重のバランスとか矛盾点はどうでもよくて、とにかくSFXとアクションで強引に話を進めて終わらせて、はい、面白かったですね、だからそれはそれでいいのだが、どうも見た後に馬鹿馬鹿しさが残って空しいところがある。CUBEなんかもラストでこけたし、シュワルツェネッガーのエンド・オブ・デイズなんかはタイムラインと同類だ。ま、そういう見方をしてはいけないんですけどね。
そうした点から見ると、"All the Pretty Horses"の登場人物は、どうでもいい人々がそれぞれにエゴを主張していてとても小気味よい。こういうひねくれた見方をするのも、案外、僕が年を取ったせいかもしれない。どうしても人物を見てしまうからなぁ。
さて、この映画を観ようと思ったのは、僕がMatt Damonの映画に好きなものが多かったこともあるが、前回と同様にかつてのNif英会話フォーラムで予告の英語聞き取りをしていたせいもある。2002年のことだが、その頃は米国在住の方が間違い訂正や、あるいは現地ならではの裏話、表現についての情報など丁寧に教えてくださった。あのような場はパソ通ならではの機会で今では中々得られないものだと思う。その英語はまた機会があればいただいた情報とともにアップしようと思うが、全体にかなり訛りがある上にあまりよくない英語(十分な教育を受けていない人の英語表現)で分かりづらいものだ。
表題のDesperadoはもとはスペイン語と思うが「無法者, 命知らず」などで英語でも使われる語で、イーグルズの歌にもあるらしい。映画の中でRawlinsがBelvinsに対して一緒に旅を始めた頃に言うのだが、予告画面では最初の台詞で印象深い。まさに映画の主題にふさわしい言葉といえる。
Hey, you're a regular old desperado, ain't you?
(なるほど、いっぱしのならず者気取りか/字幕)

Grady, Blevins, and Rawlins (from left to right)
(画像はHAROからいただきました)
蛇足ながら、音楽もシンプルでいい感じだ。昔、仕事でカンサスに行ったとき、夜に部屋のラジオで聞いたC&Wが素敵に響いたのは多分、カンサスにいたからだろうな。
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