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2005/02/12

Don't Push the Tempo

LasF2
Updated 2/16 "Dictation" あらため "Don't Push the Tempo"

chachamaru君に乗せられて、チックコリアの"Light as a Feather" コンプリート版 Disc2の会話を聞き取ってみた。難しい会話ではないんで訳はつけない。適当に想像したところもあるので間違っている部分もあるはず。
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といって12日にアップしたものの、全文のDead Copyでは著作権上ちとまずいではないかと考え直し、ポイントだけ引用した記事に訂正することにした。文中の[Snip]が省略した部分になる。ついでにタイトルもDictationなんてそのまんまであんまりなので変えている。
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[--]は曲演奏または楽器音、C:Chick Corea、S:Stanley Clarke、A:Airto Moreira、F:Flora Purim、( )は聞き取れず。

[500 Miles High]
[Snip]
C: Yeah, we'll do another one right away. Ah, It's, it's just heady, that's all.
[Snip]
C :It's just heading these parts, you know. Everything, everything felt great, the rhythm and everything.
[Snip]
headyなんて語を使うんだね。「性急な」って意味があるから、バンド用語でいうと「走ってる」って感じかな。しかしrhythmはgreatって言ってるから、tempoとrhythmは別ってことか。

[Children's Song]
C: We'll do one more take. Ah, don't push the tempo so much, Airto.
A: Yeah.
[Snip]
パーカッショニストに「テンポをそんなに押さないでくれ」というのはイメージとしては良く分かるね。

C: I'm not getting a balance with the piano and flute in the head--, I mean piano and bass in the headphones, getting too much bass.
[Snip]
S: Wha-, wha-, what I'm gonna do is is, is, is not come out of the amp when I (close) the bow. This's just gonna be natural, OK? So I'm not, I'm not gonna cut, I'm not gonna use my pedal, I'm not gonna use (volume), I'll just come natural with all this mike, OK?
[Snip]
S: Then I use my pedal later.
C: Then, after we get into the tune, you can put a little bit more bass into the headphones. (Someone is giggling.)
C: OK? OK? You get that?
S: When it starts. (giggles)
C: After the rhythm starts.
S: All right, please. (giggles)

この会話は、チックとスタンの意見の違いが見られて面白いので訳しておこう。僕の先入感での意訳だから本当は違うかもしれないけどね。

C:ピアノと"フルートのバランスが取れてないな、ヘッド・・・、違った、ピアノとベースがヘッドフォンで、ベースが大きすぎる。
[Snip]
S:あの、あの、あのオレがし、し、し、したいのは弓をしたときにアンプからのじゃないんだ。 そうすると自然なんだ、わかる? だから、オレは、オレはカットしない、ペダルは、使わない、ボリュームは使わない。このマイクだけで自然にするんだ。いいかい?
[Snip]
S:じゃぁ、後でペダルを使うよ。
C:じゃぁ、曲に入ったらもう少しヘッドフォンにベースを入れていいよ。(だれかがクククっと笑う)
C:いいね、いいね?わかった?
S:始まったらね(クククッ)。
C:リズムがスタートしたらだよ。
S:はいはい、どうぞ(ククッ)。

スタンがちょっとどもりながら話しているところは、チックに対して真顔で口答えしてるような感じなんだけど、最後の"All right, please"は雰囲気的には苦笑いしながら影で小声で「もういい加減にしてよ」って言っているような感じですな。こんな会話をCDに残すってのもいい思い出かもしれないがちょいと意地悪だね。

[Snip]
C: Let's, let's do another one right away and instead of the..., instead of, ah, that ending, let's just, ah, let's just vamp out just like Flora suggested, and you can maybe sing some stuff over the top, Flora.
[Snip]
C: And, and whe-, when ah, when comes to the, when comes to the part that I'm playing with the piano...,
F: Yeah.
C: ...ah, after Flora's first two choruses, just listen to a, as an accompaniment to a guitar sheet on the top, cause that's what I'm gonna be doing.

"instead of the..."と言いかけているところがあるが、"the"まで言って止めているところと、"the"を後で"that"と言い換えている点に注目だね。
冠詞は名詞につくアクセサリーのように思いがちだが、実は何かを特定する意図が込められている。だから"the..."という語だけでその意図が相手に伝わるということだ。日本語でいえば「それ、その・・・あれ、あれの代わりに」という場合の「それ」や「その」、「あれ」に当たるだろう。冠詞は最も難しいものの一つだが、こういうことは学校では教えてくれないからねぇ。

vampってのはan improvised accompanimentつまり簡単な即興というジャズ用語のようだ。

"that's what I'm gonna be doing."進行形を重ねて使うってところがまさにこれからするつもりという臨場感が出ている。こういう表現がすんなり出るといいんだがな。"that's what I'm going to do."ではもう一つ気持ちが伝わらないんだろうな。

[Snip]
[What Game Shall We Play Today #4]
A: Ha, hahaha...

最後にAirtoが磊落(らいらく)に笑うのが、彼らしくて楽しいね。

全体にチックが「OK?」を何回も繰り返して確認しながら取り仕切ろうとしているのが面白い。
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しかし、「略」ってつもりで< >の中にSnipって書いたらHTML上では本当に「略」されてしまって消されてしまうんだなぁ、知らなかった。

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コメント

なるほどぉ。お疲れさまです。

スタンがアイルトに「速すぎるよ、そんなにプッシュしないでよ」と言ってるのが印象的でした。

投稿: chachamaru | 2005/02/13 20:20

どうもコメントをありがとう。

it's just headyとかpush the tempoなんてのが面白い表現だね。vampもジャズ用語のようです。
スタンとチックのやりとりは音声で聞くと面白いんでして、最後はスタンが「わかったわかった、もう好きにしてよ」って感じかも。

投稿: taki | 2005/02/16 00:15

VampってのはJohn Scofieldの譜面に「ここはvamopで」と書いてあったのがあって、ああ、こういうのをVampというのか、と思ったものでした。

投稿: chachamaru | 2005/02/18 23:29

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