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2005/08/24

Without Missing a Beat

少し前から読んでいた小説"K-Pax III"をもうすぐ読み終えるところです。K-Paxは映画にもなり、NHK-BS2でも放映されました。本と映画については以前にここでも少し紹介したことがあります。
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>ちょっと他人さまの意見をみてみると、こちらではあまり評判がよくないが、実は続編があって2作で完結するので映画では中途半端なのは仕方がないかも。ただ「そういう説明のつかないところだけを取り出して、ファンタジーだからいいんだよ、なんて見せ方をされてもシラけるだけじゃないか?」っていうのは、原作がまさにその通りな中途半端なファンタジーなので必ずしも脚本のせいとばかりはいえないだろう。
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とりあえずハッピーエンドになったのでてっきり完結と思っていたのに、実は最終話が出版されていたことをネットで偶然に知り、早速アマゾンで購入したのでした。
最近は家でゆっくり読むという時間がなかなか取れないので、通勤電車の帰路でボチボチ読んでいたので2ヶ月くらいかかってしまいましたが、結末もほぼ決まって最終章の手前に来たところです。
K-PaxIII

主人公であるprotとは?、あの現象はどうやって?、とかの疑問は結局明確には明かされずに読者の判断に委ねられる、ということで終わりそうですが、それなりに結末をつけたということでしょう。素人には意味の分からない精神病用語などがたくさん出てくるものの全体には読みやすい本ですし、以前にも書いたように多重人格という症状を題材にしたミステリーとしても面白いと思います。それに映画にまでなったくらいなのに、どうも邦訳は出ていないようなので、映画で消化不良に陥った人がその後を知らずに中途半端な印象を持たれたままになっているのは残念なことです。

さて、今日読んでいたところに懐かしいイディオムが出てきたので紹介しましょう。

“Chocolate chip, chocolate chip, chocolate chip,” he mumbled, apparently without comprehension. But he grabbed the one I offered and whisked it into his mouth without missing a beat.
「チョコチップ、チョコチップ、チョコチップ」と彼はどうやら訳(ワケ)も分からずつぶやいた。しかし私が差し出すとそれを掴み取り、あっという間に口に放り込んだ。

ここにある"without missing a beat"というイディオムを最初に見たのは、会社で購読している専門誌にあった(今はなくなってしまった)ジョーク欄でした。それはまた次回にでも紹介しようと思いますが、かつてのニフティー英会話フォーラムで紹介したり、英会話教室でその意味を質問したりしたことが懐かしく思い出されます。そしてこのイディオムを検索したときに出会ったのが、リンク欄に紹介しているMatthews氏のサイトでした。ただ、その文はMatthews氏の膨大な記録の中に埋もれ、今となっては見つけることも出来ませんが。

そのときにフォーラムに書き込んだ意味を引用します。

Niftyserve 英会話フォーラム 2001.3.30
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少々部屋違いですが、分からなかった"without missing a beat"を昨日、英会話学校で聞いてきました。

beatは、音楽のビート、リズムからの発想だそうで「ある一定のリズムで何かしていて、その調子を崩さずに」というようなことだそうです。あるいはあるスケジュールに従っているときに、突然、他のことをしなければならなかったけれど、またスケジュールに戻って何事もなかったかのように再開するような場合とか。
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だから、今回の場合も「ブツブツ言いながら、すかさず掴み取って口にいれ、またブツブツと・・・」というニュアンスだろうと思います。

もう一つ偶然ながら、ここにあるwhiskという動詞ですが、今日の日経新聞に「ウィスキーはケルト語のwhisk=水、という意味から来ている」ということが書いてありました。だから辞書を見るまでもなく"whisk"が水を飲むように飲み込むという意味だろうと容易に想像できます・・・ということで改めて調べて見ると、ケルト語ではなくゲール語だそうです、といってもその区別は私にはできませんが。

The American Heritage® Dictionary of the English Language
Many connoisseurs of fine whiskey wouldn't dream of contaminating their libations with water, but they really can't avoid it. Not only is water used in distilling whiskey, but the words whiskey and water share a common Indo-European root, *wed–, “water, wet.”

最も辞書的には、whisker(ひげ)などから来る「(ホウキや羽で)さっと払う」というニュアンスになるのかもしれません。whiskyとwhiskerは何かつながりがあるのかな?

さて、K-Pax IIIの最終章は、予想通りの結末を迎えるのか、それともどんでん返しがあるのか楽しみです。

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2005/08/22

Typo

今回も英語の話題。

たまたま見つけたのだが、翻訳者がよく失敗する、あるいは見つけたTypoつまり誤植を紹介しているサイト

 manager→manger かいば桶
 the United States of America→the Untied States of America
  案外事実かもしれない。

 "The Truth will make you free" 真実は人を自由にする
 "The Truth will make you fret" 真実は人をいらいらさせる
 "The Truth will make you fere" 真実は人を仲間にする

元は最初の文らしいけど、それぞれに真実かも。
fereは普通の辞書には載っていないようで、手持ちの辞書ではリーダーズ++にしかありませんでした。
Sky1Sky2

イメージは土曜日にいつもの愛犬の散歩道で空があまりにきれいだったので写したものから2枚。クリックすると拡大画像が出ます。

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2005/08/16

Careful Consideration

このところ更新をまたサボっていますが、久しぶりに英語の話題を書いて見ます。

翻訳の勉強を多少バイトをしながら進めているものの、一向にはかどりません。しかし徐々にですがスタイルというのか訳し方が変わってきたと思います。翻訳フォーラムのモデレーターであるBuckeye氏が「翻訳者でない人が気づいた翻訳のコツ」という題で書かれている項目が何となくわかるようになってきました(本来はトラックバックすべきですが、バイトごときがプロに対してコメントするのは恐れ多くてできませんね)。

例えば最近訳した次の文を考えて見ます。ちょっと硬い表現ではありますが:

Be sure to give these questions careful consideration.

 これらの質問に注意深い考慮を与えることを確実にしなさい。

高校生ならこれでもいいかも知れませんが、翻訳家といわずとも社会人であればこんな文を書いていてはいけませんね。
一つのポイントは品詞をそのまま日本語に置き換える、つまり名詞は名詞に、動詞は動詞に、という呪縛から逃れるのが第一段階でしょう。その上で日本語らしい表現に書き換える必要があります。
もう一つは「give -- consideration」を熟語として「考える」ということもできるかもしれませんが、英語にはそのような発想はもともとはないのだろうと僕は思います。give A X というのは文字通り「AにXを与える」とすればよいのです。英語をそのまま理解し、その後はそれをいかに日本語らしい表現にするか、つまり日本語の能力次第といえます。

 これらの質問に確実に注意深い考慮をしなさい。
 これらの質問を必ず注意深く考えなさい。

まだまだ自然とはいえませんね。

 これらの質問について十分に考えてください。

原文とはかなり違いますが、普通はこんな風にいいませんか?

 「質問について」ならabout these questionsだろ?
 carefulは「十分に」とは違うだろ?
 careful considerationだから「十分注意深く考える」とか「注意深く熟考する」とかすべきではないか?
 Be sureはどこへ行ったのだ?

色々と反対論は出ると思いますが、最近はこうしたことが言葉に対する呪縛だったのではないかと思っています。だから英語で理解した文章を日本語の文章に置き換えるのではなく、英語で理解したイメージを日本語のイメージで書き出す、というスタイルになりつつある、あるいは出来るようになってきたと思います。

これはやはりBuckeye氏が「誤解されやすい翻訳業界の常識--訳文に、翻訳者の解釈を入れてはならない」という記事で書かれていることに通じるものだろうと思います。ただしそれが行き過ぎて、勝手な作文にならないようにしなければならないのは言うまでもありませんが。

signalイメージは隣町の稲美町にある図書館へ行く途中にある田んぼをつっきる一本道の信号機。

Stop! And think about what you're going to do.

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