Soy What?
ゆうけいさんが紹介されていたマンガ「もやしもん」を3巻まとめて衝動買いしてしまった。こういうのを「大人買い」というらしい、というほどの金額ではないけど。
こういうマンガが流行るのはちょっと意外な気がするけど、案外こうした知的好奇心にみんな飢えているのかもしれない。少なくとも僕には、マンガでこういうかなり専門的な話に薀蓄を傾けるマンガというのは(もともとそいういう目的のマンガは別にして)初めての経験だ。この樹教授がとてもいいね。まぁ、お酒の話が多いから興味を引くのかもしれない・・・僕は飲めないからその点は残念だが。
主人公の菌類が見えるって設定は、で、結局どうなん?っていうところはあるが、まぁ、そのうち何か出てくるんだろう・・・でもこの調子だとこのままかもしれない・・・。
噂どおりの、女性はどれもおんなじに見える点は、僕にはまぁ大して気にならないんだけど、全体にこの画風は水木しげる、つげ義春あたりのラインだろうか。もっとも時代が随分ずれているから系譜的には間に色んな作家が入ってるんだろうけど。
ところで第一巻の帯にどかどかっと書かれているのが、「大豆インクを使用」の文字と認定マーク・・・って、これアメリカの国旗やん(イメージの左下参照)。
こんなマークというのは知らんかったけど、これじゃまるで・・・。
その道の仕事も多少は関係するから流行りだしたころから大豆(油)インクっていうのは知っていたけど、こんな露骨なマークだとはなぁ。
何が言いたいかっていうとですね、大豆インク認定してるのって、アメリカ大豆協会ですってことです。
これって例えば、全米牛肉協会が日本でBSE安全性認定をしてるようなもんじゃないですか・・・ちょっと違うかもしれないけど、当たらずとも遠からずだと思う。EPA(米国環境保護局)とまではいわないけど、少なくとも全米インク協会(そんなもんがあるかどうか知らないけど)とかが認定してるっていうなら分かるんですけどね。
インクってもともと亜麻仁油とか脱水ひまし油とか、植物性の油を結構使ってるんで、だから大豆油を使うことがことさら環境に優しいとかってことはなかったはず。だから大豆インクという言葉が出てきた頃は、インクメーカーも結構冷ややかな目で見ていて、特に認定基準が結構あまくてとにかく大豆油つかえばいいんかい!ってレベルのものもあるし、アメリカ大豆協会のあからさまな大豆販売促進策っていうのが業界のもっぱらの見方だったんだけど。大体が、認定基準の最後にある文をみてください。
「大豆インキはその他の植物油(乾性油に分類されているもの)を含んでいても構いません。しかし一番多く含まれている油は大豆油でなければなりません。」
大豆油って半乾性油といって硬化性はあまりよくない部類なんで、色々と手を加えないとインクになりにくい。だから亜麻仁油なんかの硬化性(乾燥性とか酸化性とか言い方は色々できるけど)のよい乾性油の方が手を加える程度が少なくて環境に優しいはずなんだ。
しかし広報活動がうまかったのだろうねぇ、あっという間に大豆インクにあらざれば環境に優しくない!ってな風潮が広がってしまった。
大豆油使ってればいいんかいってのは、例えばBTX(ベンゼン、トルエン、キシレン)なんか使ってたらなぁんもならんのだけど、認定基準には含まれていないのも変な話だ。だからといってそんなものを使ってたら環境にどうこうっていえる時代じゃないけどね。
結局はインクメーカーは四苦八苦して使わなくてもいいかもしれない大豆油を無理して使ったりして却ってその分、環境に負荷をかけてるかもしれない・・・という気がするのだが。
今は色々工夫したおかげで品質的には問題ないっていうのがここの「油」のところに書いてある、・・・ってことはやはり結構手を加えないとダメって事ではないのかなぁ。
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コメント
takiさん、こん**は、拙ブログの紹介ありがとうございます。
そうですか、大豆インクにそんな裏があったとは知りませんでした。勉強になりました。
投稿: ゆうけい | 2006/07/24 15:02
ゆうけいさん、コメントをありがとうございます。
大豆インクも悪くないですけど、こういった商品は一般にはなじみがないだけに、一面的に評価されたりするのは残念です。
「もやしもん」は面白かったです。続きが楽しみです。
投稿: taki | 2006/07/25 08:33