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2006/08/05

Finding Forrester II

前回は文章の書き方というほどの台詞はなかったが、今回はもう少し具体的な話が出てくる場面だ。(F)=Forrester、(J)=Jamal・・・苗字、名前と統一感がないですが。

Forrester6 Jamalが中々書き出せないために、Forresterは自分が書いた文を渡して、それを元に発想をふくらませて書くようにと言う。
出来上がった文を評している場面で、「接続詞で文を始めてはいけない」というのは厳格なルールだというForresterに、Jamalが理由を説明しつつ、多くの作家が無視していると反論する。大文字、太字で書いてあるところは強調して話している箇所で、お互いに会話を接続詞でわざと始めて強く発音している。

(F) Paragraph three starts with a conjunction “And”. You should never start a sentence with a conjunction.
(J) Sure you can.
(F) Oh, no. That’s a firm rule.
(J) No, no, no. See, it WAS a firm rule. Sometimes if you use a basic conjunction at the start of a sentence, you can make it stand out a little bit. AND that may be what the writer’s trying to do.

「接続詞で始めると、その文は少し目立つが、それが作家のしたいことだ」 "stand out"も覚えておきたい表現。字幕では「めりはりがつく」となっていた。
youはもちろん、Forresterのことではなく、一般論としての主語。trying to doはtrynna doと聞こえる。

(F) And, what is the risk?
(J) Well, the risk is doin’ it too much. It’s a distraction and it can give you a piece run-on feeling. BUT, for the most part, the rule on using “and” or “but” at the start of a sentence is still pretty shaky. Even you know it’s still taught in too many schools by too many professors, some of the best writers are a bit ignoring that rule for years, including you.
(F) You’ve taken something, which is mine, and made it yours. That’s quite an accomplishment.
(J) Thank you.
(F) The title is still mine, isn’t it?
(J) I guess.

こういうところに"risk"という語が来るのが面白い。字幕では「注意することは?」となっている。
"distraction"は"tract"(道)から来た語と思うが、"attract"や"concentrate"の反意語で「気がそれる、散漫になる」。転じて「気を紛らす」、さらには「乱心」という意味もある。訳は「気になる」
"traction"は「静摩擦、牽引、気を引くこと、魅力」などの意味があるが、distractionは人の状態を主に表すようだ。
その昔TVの英会話のスキットで、ある男性が訪問先の女性が美人だったことを思い出していう台詞、”I was distracted."を"I was destructed."=「僕は自爆した」と聞き違えて意味不明だったことがある(最近の日本語ではそういう表現もあるかもしれないが、英語では意味をなさない)。英会話のインストラクターに聞いたら、身体を揺らして"Bomb!"とかいいながら「それは"distracted"だ」と教えてくれた。「うわの空だった」というところかな。
"run-on feeling":run onは「ダラダラと続く」という意味だから「冗長になる」という訳がついている。
"still pretty shaky":stillがつくから、「それでもなお(ルールは)揺れる=当てにならない」。字幕は「間違いだ」と断言しているが、ちょっと言いすぎではないかな。
最後に、Forresterから「私から吸収し自分のものにしたのは大したものだ」と誉められる。この誉め言葉"That's quite an accomplishment."はちょっと固い表現ではなかろうか・・・というのも、全体にForresterは文章の先生として固めの表現が多いのではないかと思うからだが、実際のところはよく知らない。
「しかし表題はまだ私のもののままだね」と言われて、Jamalの"I guess"というのは"I guess so."だが、しぶしぶ認めているという感じだろう。訳は「そうだな」。

少々長いが、もう少し続けよう。何故外出しないのかというJamalの問いに対する会話。

(F) Well, it was a neighborhood that changed, not me.
(J) (?And please?), I ain’t seen nothing changed.
(F) “Ain’t seen nothing”? What the hell kind of sentence is that? When you’re in here, don’t talk like you do out there!
(J) I (?wasn’t meant what you mean.?) It’s a joke.
(F) (sigh) (やれやれと言う雰囲気でため息をつく)
(J) Go ahead, I wanna hear about neighborhood back (when) people were still reading your book.
(F) What did you say?
(J) Nothing.
(F) You said, “back when people were still reading my book”, didn’t you?

「変わったのは自分ではなく、周囲だ」というForresterに対するJamalの返事が典型的なEbonics。二重否定だから「変わらないものは見たことがない=全て変わる」だが、この場合は二重否定にならず「何も変わってないぜ」という意味になる。R&Bやロックの歌詞なんかではよくあるような気がする。
それに対しForresterが「そんな言葉はここでは使うな」と叱っているが、それに対する返事が聞き取れなかった。"I wasn't meant...."は「自分はそういう運命にはない」というようなちょっと大袈裟な表現のようだが、聞き取りが正しいとすると「あんたの意味するようなことであったのではない、そんなつもりじゃない」という意味か?
その後のJamalの台詞は「みんながあんたの本をまだ読んでた昔の頃の近所のことを聞きたい」という意味になるのだろうが、それに対しForresterは「まだ読んでいた」というところに反応して「何だって?」と聞き返しているようだ。多分、Jamalの言葉が「今はあんたの本は読まれていない」と暗にほのめかしていることに気分を害したのだろう。だからJamalは口が滑った、という雰囲気で"Nothing"と答えている。ここはForresterがゆっくり繰り返して言ったので、聞き取りができた。字幕は「昔は皆 あんたの本を読んでたんだって?」となっているが、意訳して分かりやすくしたのだろう。

Forresterは、Jamalが接続詞の使い方に薀蓄を傾けるほどに進歩したことを「吸収し自分のものにした、大したものだ」などと随分と誉めているが、それはあくまで技術的なことではないだろうか。文の内容がどうであるかということが本筋だと思うが、この映画ではその辺りが抜けている気がする。

イメージはIMDbから。 次回 III に続く。

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