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2006/09/02

A Girl With A Pearl Earring/The Next Subject

Vermeerの新作披露パーティー台詞考察3回目。前半は2回目を参照ください。

wife: I cannot bear the suspension a moment longer, Master van Reijin. Pray tell us what you think.
van Reijin(VR): This is good. Colour, perspective is true, illusion is perfect. All this skill lavished on my dear Emillie, why, it's almost as if she were thinking.
mother: And have you considered the subject for your next commision? We cannot expect you to give up Emillie for so long again.
VR: Considered? That's already in hand, didn't I tell you? A coming fellow from Amsterdam studied under Remrandt van Reijn, though, who hasn't these days? "A merry company by candle light", candle light being his forte.
mother: Oh.
VR: So have you decided what to daub next, Jan? Have you found inspiration up in that room of yours? Is there another patron in Delft with pockets as deep as mine?
Vermeer: I've not yet found the subject.

it's almost as if she were thinking.
she wasではないから、実は考えていないのだがまるで考えているような、という非現実の仮定法だ。映画を通じて感じるのは、van ReijinもVermeerもあたかも妻を大切にしているようで、実は愚か者と見做しているという点だろう。それがこの場面での二人の妻への振る舞いや接し方に如実に現れている。当時の時代背景ではこうした女性蔑視は別に珍しいものでもないのだろうが、どうも馴染めないなぁ。

We cannot expect you to give up Emillie for so long again.
言葉自体は簡単だし聞き取りやすい部分だが、give upが日本語化しているだけに意味が分かりにくい。細かく説明すれば、今回の絵のモデルになるために長い間、ご主人から奥様を離していたから、「また長い間あなたに奥様を(そばに置くことを)あきらめていただくことを期待するのはできません」ということになる。字幕は「奥様にモデルを頼むのは恐縮で」。

A coming fellow from Amsterdam studied under Remrandt van Reijn, though, who hasn't these days? "A merry company by candle light", candle light being his forte.
comingは「将来有望な」という意味。Rembrandtの弟子のようだが、誰なのかは調べてみたが分からなかったし、"A merry company by candle light"という作品も見当たらない。検索して出てきたのは、この映画に関係するものだけだから創作かもしれない。

...., though, who hasn't these days?
whoはRembradtのことだろう。who hasn't been around these daysというような意味合いかと思うが、この映画の主題である「真珠の耳飾りの少女」が描かれたのが1665年頃と言われる。Rembrandtは既に経済的に破綻、1663年には彼を支えてきた妻ヘンドリッキェを亡くし、作品は評価されず失意の晩年の時代である。さらに1668年に最愛の息子が亡くなり1669年には本人が亡くなっている。

A20060902172528 VR: So have you decided what to daub next, Jan? Have you found inspiration up in that room of yours? Is there another patron in Delft with pockets as deep as mine?
Vermeer: I've not yet found the subject.
太字にした、Jan, Haveがつながって何を言っているのか聞き取れなかった。JanはもちろんJohannes Vermeerの愛称ということだろうが、そんなこと知らんもんねぇ。
しかし"So have you decided what to daub next, Jan?"という言葉に、Vermeerの方を盗み見するGrietの表情が、彼への想いと期待を見事に表していて、初々しさと美しさにあふれている。これからの二人の秘めた関係を暗示しているようで、僕の好きなカットだ。イメージにある字幕はその後のdeep pocketsの台詞なのでずれてしまっているが。

さて、パーティーは終わるが話はまだまだ序盤です。

ところで、前々回のIndian Yellowだがその際に示した資料によれば1883年の捜査まではイギリスが製法を秘密にしていたということだから、Vermeerの時代にはそれが牛の尿から作られていることは知られていないはずだ。そうなるとvan Reijinの台詞はウソということになるのだが、まぁ、これは話を盛り上げるちょっとした挿話として許されるかな。ちなみに同じ資料の中にはIndian Yellowは1500年発見というのもあるし、最初はオランダの画家が使い始めたとあるから、それならVermeerも使った可能性はあるね。

参考(Rembrandt)
http://www.asahi-net.or.jp/~sq3t-ktu/page072.html

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