L'Annunciazione, 1981
To come home, or not to come home, that is a question....、てな話はちょっと置きまして、先日、新日曜美術館(NHK教育)は、今、東京で展示されているレオナルドダヴィンチの「受胎告知」の特集だったが、このところ続けて画像アップをしていた81-82年のイタリア旅行の際に、フィンレンツェのウフィツィ美術館で見たのが、左の写真。
古くてすっかり変色してどうにもならない。どうも室内で光が足りず色が再現できないようで、それにかなり呆けてしまっている。先日のTVではもっと鮮やかだったから、その後修復したのかもしれないが。
ダヴィンチの完成作品はほとんどなくて、現存する数少ない作品の大半はモナリザも含めて未完成なのだそうだ。その中でも最も若い時期に描かれた「受胎告知」は数少ない完成作品とのこと。この時、すでに数々の革新的な技法が使われているとか、当時としてはあまりに革新的過ぎてあまり話題にならなかったことなどが、TVで解説されていた。
右は同じくウフィツィ美術館にある、ライヴァル(だったかどうか知らないけど)のミケランジ ェロによる「聖家族」。こちらの写真はまだ状態が比較的良かったようだ。
ところで「受胎告知」の原題、L'Annunciazioneは伊和中辞書(小学館)によると「聖母マリアへのお告げ、(美術品などの)受胎告知」という特別な意味がある古い言葉で、Annunziataというのが現代の相当する言葉のようだ。頭についているL'というのは女性名詞に着く定冠詞Laの省略形だから、英語の定冠詞と同じく、特別な告知であることを意味している。この語の動詞形は annunziare(知らせる、告げる、annunciareとも書く)、annunziatoreは男性アナウンサー、女性アナはannunziatrice、とたどっていくと、そうか、英語のanouncementと同じ語源の言葉なのだね。
GARZANTI DIZIONARIO(伊英/英伊辞典)によるとanouncementはannuncioとあるな。でも伊和中辞典では-cioはなくて、annunzioとなっている。綴りの違いは編纂者の見解の相違なのかね。
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