Adieu False Heart
Linda Ronstadtネタ、多分これが最後です。
以前からほしいと思って、そのままだったSky Larkの入ったアルバム"Lush Life"をHMVで注文したことは以前に書いたが、その時に輸入版3枚注文すれば25%引きという甘言につられて一緒に注文したのが、例の「このおばさんって誰よ」ヴィデオで紹介されているAnn Savoyとのデュオ"Adieu False Heart"と、ちょっと検索した時にどこかでお勧めと書かれていた"Hasten Down the Wind"の二枚。
ただ"Adieu False Heart"が昨年発売されたばかりなのに入荷しないとかで、かなり遅れてやっとこの週に届いた。
Linda Ronstadtは若い頃に特に聞いていたわけではないので、3枚を比べるとなんだか「このおばさんって誰よ(しつこいね)」ヴィデオで画像や音声を聞いた"Adieu False Heart"が一番親しみやすいような気がする。あるいは中学時代に聞いていたモダンフォークソングに通ずる共通したものがあるからとも思うし、あるいは現在の時代が何か反映されているのかもしれないが、やはり自分と同じような(僕より5歳くらい年上だったのだ)年代を過ごしてきた彼女たちの今の歌に共感してしまうのかもしれない。
それに比べるとスタンダードナンバーを集めた"Lush Life"は、その前作である"What's New"ほどに良いとは感じなかった。Sky Larkなど最初のうちはいいんだけど、通して12曲を聴いているとやや単調で退屈してくる。
特にアルバム最後にアルバムタイトルのLush Lifeがあるのだが、これはかの"John Coltrane And Johnny Hartman"の素晴らしい演奏と歌を学生時代にさんざん聴きまくった身としては物足りない・・・まぁ、これは比較するのが無理があるだろうが。
エリントンのSophisticated Ladyもどうもね。"What's New"に比べるとちょっと選曲に無理もあったかも、と思う。
それから結構地をだしているというのか、ブリッジ部分とかクライマックスになるとシャウト気味に声を張り上げてしまい、それが12曲まで延々と続いてしまうところは、それが本来の彼女なのかもしれないが、バーバラストライザンドとかシャーリーバッシー(古いな)のようになって、それこそラスベガスショーみたいで、ジャズファンにはちょっといただけない。それぞれ単独で聴くと決して悪くはないんだが、やはり続けて聴くと途中でちょっと食傷気味になってくる。"What's New"は9曲でちょうどよかったのだろうね。
でもSky LarkはLindaの歌もいいが、とにかく曲が素晴らしいね。
そういう点では"Hasten Down The Wind"はそんな歌い方がそのまま本来の彼女らしい曲にぴったりあって実に伸び伸びしていて、むしろこちらの方が聴いていてもすっきりして飽きない。
それからこれがどういう音楽ジャンルに分類されるのかは知らないが、昔馴染んだアメリカンポップスとかヴェンチャーズとかの流れをしっかり受け継いでいるという気がするのも、60年代ポップスで育った身にはとても親しみやすい。
カントリーの香りというのは、大なり小なりアメリカンポップスの中にあるのだろう。ヴェンチャーズも結構そんな香りがあるし、フォークロックというのも彼女の音楽の一要素らしいが、中学ころに夢中になったモダンフォークがやがてフォークロックに変化していったというのも確かだと思うと、このアルバムに抵抗がないのも頷ける。
発売は1976年とあるから、僕はポップスをほとんど聴いていなかった時代ではあるけど、アカペラの"Rivers of Babylon"は結構耳にした気がする。
ところで、"Adieu False Heart"には確かにCajun Musicと思われるフランス語の歌が入っている。しかし、最近ちょっと聴いていたフランスのジャズ"Jazz a Saint Germain"で馴染んでいたフランス語に比べると何かなまっているような気がする。南部訛りのフランス語なのかもしれないね。
Jazz a Saint Germainは色んなアーティストのコンピレーション盤で、フランス語の"Round Midnight"、"Caravan"、"Summertime"なんかは英語では味わえないフランスの香りがたまらないが、全体としてはあまりよい内容とはいいがたいので、お勧めはしない。
しかしだね、"Adieu False Heart"の裏にある写真、「このおばさんって、誰よ」のヴィデオと比べると修整しまくりではないかい?
イメージはLinda Ronstadt/Wikipedia USAからいただきました。
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