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2007/08/13

Fuga y Misterio

たかけんさんが絵日記でNHK教育で放映されたクレメラータ・バルティカによるピアソラの演奏を紹介されていた。アンドレイ・プシカレフという打楽器(ヴァイブ)奏者が参加していて、これはしまった、番組をチェックしておけばよかったかと思ったら、YouTubeの動画へのリンクも紹介されていたので、演奏を楽しむことが出来た-->ありがとうございました、たかけんさん。

Fuga で、演奏だが、たかけんさんが書かれているように、クラシックのコンサートとは思えないようなごきげんなTango/Jazz演奏だ。特にヴァイブは後半にソロを聴かせてくれる。このソロがインプロヴィゼーションなのかどうかは分からないが、そんなことはどっちでもよいと思わせるだけのドライブ感がある。ただこれがスイングというのかどうかというと、僕にはその辺りの違いは分からないところだ。最近はDualisのようにクラシック演奏家でもすばらしいドライブ感のあるソロを聴かせる演奏家がいるからね。しかし何といってもアタックがジャズヴァイビストといってよい思い切ったアタックで、見ていて小気味よい。

一方でクレーメルのヴァイオリンによるソロもあるのだけれど、これがインプロビゼーションなのかどうか、これもよく分からない。ただ途中で聴いたことのある、クラシックファンなら誰でも知っているだろうフレーズが出てきて、これは愛嬌というのかシラケるというのか、ちょっとビミョー。

このメロディーは確かメンデルスゾーンだったのではないかと検索してみたらバッチシ。「メンデルスゾーン作曲 ヴァイオリン協奏曲 ホ短調」だそうで、親切にもYouTubeへのリンクがあったのでメロディーを確認できた・・・オランダの生んだスター、ジャニーヌ・ヤンセンのBBCプロムスデビュー映像ということです。

New_tango まぁ、この辺りがクレーメルの評価の分かれるところなんでしょうね。こちらでは辛口の批評がありました。僕は楽しめたので、どうでもいいんですけどね。

そこで本家の"New Tango/Astor Piazzora & Gary Burton"を聴いてみることに・・・恐らく、タンゴとジャズヴァイブという組み合わせはこのピアソラとバートンのコラボレーション(あるいはフュージョン)が発端だと思う。一体、どういうめぐり合わせでこんな組み合わせが出来たのかは寡聞にして知らないが、クレメラータ・バルティカも彼らの演奏を意識してのことには違いない。

それからバートンがピアソラのバンドメンバーだったアルゼンチンのプレイヤーなどと演奏した"Libertango"に入っている同じ曲(Fuda y Misterio)を聴いてみる(少々チープな音ですが、リンク先のアマゾンで試聴できます)。

Libertango こうして比較してみると、クレメラータ・バルティカの演奏は確かにドライブ感があるものの、本物のピアソラとかタンゴ奏者の演奏を聴いた後だと、やはりクラシックのドライブ感だと思う。

クラシックのドライブ感なんてあるのか、という話になるのだが、例えばツィゴイネルワイゼンとかハンガリー舞曲とか、その気になって聴けばドライブ感を感じる演奏はあると思う。特に民族的な色彩の濃い曲では、その血を引く演奏家によると全く違って聞こえることがある。

話は飛ぶがアルベニスの曲なんかはクラシックだけど、アリシア・デ・ラローチャのピアノ演奏はスペイン人でなければできないようなジプシー的な色彩がある。

閑話休題。

だから、といのが僕の結論だが、この演奏をジャズっぽくしているのはあくまでヴァイビストのアンドレイ・プシカレフによるものだと思う。彼がいなければタンゴ風クラシック音楽だろう。もちろんそれが悪いという意味ではない。特にベースの追い立てるような音は、クラシックによくありそうな、つまりジャズとかタンゴではないアーティキュレーションのように思える。

Fuga3 ところで気になるのは勿論、このヴァイブを弾いているアンドレイ・プシカレフだが、どういう人なのか全く分からない。検索してみてもパーカッション奏者とか打楽器奏者というクレジットで、このユニットでのクラシックの録音しか見当たらないので、ジャズプレイヤーではないようだ。ただこちらの方の記事を見るとムーライトセレナーデを編曲しているということなので、ジャズ好きなプレイヤーには違いないだろう。ピアソラも彼の発案かもしれないね。

Fuga6 テクニックはすごいのは見ても聴いても分かるが、例えばマリンバ奏者はこういうヴァイブの弾き方をしないようで、先にも書いたが叩き具合はジャズヴァイブといってもいいと思う。

気になるグリップ(マレットの持ち方)ですが、マレットの間に指一本のトラディショナルグリップのようであります(左上画像)・・・ってな話を書き出すとキリがないので止めておこう。ただ右手で上昇する音を叩きながら左手がおっかけて消音(ダンプニング)をしていく奏法(右上画像)なんかは、完全にジャズヴァイブから来ているものだと思うね。バートンの演奏を始めてサンケイホールに聴きに行った時に目にして、僕もマネをしたものだ。

気になったのは、YouTubeの音質の悪さが原因なのかもしれないが、最後にコードをバンバンと鳴らす響きが力任せな感じで汚いことだ。ただ、赤松氏のblogのどこかで、ヴァイブの音を拾うのはエンジニア泣かせというようなことが書かれていたと思うので、そんなことが原因しているかもしれない。

それからSaitoのヴァイブを使っているのだな。NHKの楽器なのか、彼の持ち物なのか?

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