もう先々週のことになりますが、休みをとって家内の方の墓参りに、丹波篠山まで行ってきました。
丹波篠山には遠い親戚はいるのですが、もう付き合いもなくお墓があるだけなので、例年は同居の義父と門真に住む叔母さん夫婦が、大阪の知り合いの車に乗せてもらって墓参りをしています。しかし今年は、僕の運転で久しぶりに我々夫婦も同行することになりました。僕たちが丹波篠山に行くのは、10数年ぶり、実に不義理なことでした。
朝、10時頃に叔母さん夫婦が来るとのでしたが、とにかく年寄りのことだから、どうせもっと早く来るだろうと思っていたら、案の定、9時半にはやって来ました。
さて、では出発といことなのですが、ところで墓の場所は分かってるよね?と確認すると、誰もが、いつも人任せで行っていたので、正確な場所が分からない。ありゃりゃ・・・。
どうも篠山市役所の近くらしいということと、市営の共同墓地ということなので、市役所に連絡したところ、調べておきますということなので、とりあえず市役所をカーナビでセットして出発する。
実にいい天気、高速道路を第二神明から北神戸線、少し地道を走って中国道から舞鶴道へと走る。山の中を抜けるドライブはとても気持ちがいい。
篠山口で降りてカーナビの指示に従っていくと、何だか小さな建物の前に出ました。
こんなん、知らんで。
これは市役所ではないだろう、とよく見ると市役所の出張所だ。出張所を市役所と間違えてカーナビをいい加減にセットしたみたい、やぁ、すんません、すんません。改めて市役所をセットしなおす。
市役所は日本風のデザインだけど、ちょっとしたリゾートホテルみたいな新しくきれいな建物です。
予め連絡していた市民課に行って担当者に聞いてみると、墓地は二箇所あって、当家の登録は遠い方の墓地だという。しかし叔母さんは「市役所の近くだったように思うけどなぁ」、というし、どっちが正しいのやろ・・・。何だか担当者も頼りなさそうな、怪しげな雰囲気だったしなぁ。
しかし叔父さんの「そんなに近くはなかったで」、という一言で、聞いた住所、といってもこの辺りになると「字何とか」なんていう住所ではカーナビには出てこないので、大雑把なところでセットして出発。
田舎道をカーナビに導かれて進んでいくと、どんどん市街地からは離れて行く。
きれいな道やね。
こんなきれいな道やなかったで。
新しいんやろ。
いや、新しい言うても、そんな最近の道やないで。
カーナビはひたすら案内を続けるが、いつまで行っても目的地らしきところに着かない。
えー、こんな、なんもないとことちゃうで。もっと家とか店とかあったで。
これはいくらなんでもおかしいと、とりあえずまた市役所にセットしなおして、振り出しに戻る・・・。
先ほどの担当者はどうも怪しいので、今度は案内係みたいな人に近くにある方の墓地の場所を聞くと、観光案内地図で大体の場所、これもまた大雑把だが、道筋を教えてくれる。やっぱりそんなに遠くはなさそうだ。
聞いたとおりに行くと、最初に来た道ではなく市役所の裏側へ回った。これまで通っていた何もない道ではなく、中心街の方に出る。
そうや、そうや、この道や。
どうやら、いつも通る道とは反対側をウロウロしていたみたいだ。
あ、あの行き止まりを右だったと思うで。
いや、でもあの係りの人は左って言ってたで。
んー、とにかく聞いたとおりに行ってみようやない?
左折する。
あ、ここら辺にいつも昼飯食うとこがあったと思うで。
この先の交差点を右や。
えー、こんな道、知らんわ。
で、この学校みたいなとこを右や。
なんや、元にもどっとるみたいや。やっぱ、さっきの行き止まりを右でよかったんやないの?
また行き止まりやけど、地図で見るとこの辺のはずやで。
とにかく右、行こ。
あ、川や、何か見たことあるみたいな・・・この橋渡ったような?
やっぱ、ちゃうわ、戻って、戻って。
確か、狭い道を、ちょちょちょって入ってたで。
あれ、えらい狭い道やな。
この角を曲がった様な気がする・・・。
過ぎてもたがな。
もう一回、学校のとこ、戻ろ。そいで分からんかったら、あきらめなしゃぁない。
ここ、喫茶店みたいやね、ここで昼飯、先に食おか。
聞いてみたらええねん。
あ、墓場ならこの裏ですよ。その道をちょっと行ったら左に入る狭い道がありますから。
なんや、あそこに見えとるわ、あれや、あれや。
確か、前来たときは焼き場があったんや。
焼き場ですか、もう五-六年前になくなってますよ。
この辺になぁ、練兵場があったんや。知りまへんか?
れ、練兵場ですか、それはちょっと知りませんねぇ。
おとうちゃん、練兵場なんて戦争中の話や、そんなもん、あるわけないやろ。
さぁ、乗って、乗って。行くでぇ。
あぁ、この細い道をいつもは反対側から来るんや。
やっと分かったわ。
あ、そうや、そうや、やっと思い出した。
はぁ、やっと着きました。
お暑い中、年寄り珍道中、墓参り双六は、行きつ戻りつ、何度もしながら、やっと<上がり>、無事、墓参りを済ませました。僕も10数年前に来ただけなので、到着してやっと思い出しました。
お墓は随分古くからの一族が一区画にまとめられています。墓場の整備で区画整理をされたためらしいのですが、墓石の裏側を見ると年号は忘れてしまいましたが、江戸時代からの墓もありました。
帰りは、来た道の反対方向へ抜けていくと、確かに家々の間を、ちょちょちょっと抜けて、先ほどの行き止まり三叉路へ抜けました。
やれやれ、ということで先ほどの「いつも昼飯を食べたと思うで」の、「JA特産館ささやま」で昼食をとり、おみやげもいっぱい買って帰ったのでした。右は、例年、おみやげに買ってきてもらう、篠山名物、清明堂の「栗まん」です。
せっかくだから篠山観光もしたいところですが、年寄りも一緒なので真っ直ぐ帰ります・・・もう疲れたし。
帰路は、大阪へ電車で帰るという叔母さん夫婦を篠山駅で降ろし、後はまたカーナビに案内されて無事に帰りました。
練兵場があったんやでぇ。
もう、ええわ!
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