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2008/12/21

モーリス・ルイス 秘密の色層-IV

モーリス・ルイスの秘密に迫る、ラーナー博士の講演-2

ルイスは自宅のダイニングルームをアトリエに改装して使った。妻が仕事に出かけている昼間に制作を行い、夜には片付けていたという(これは乾燥の速いアクリルだからできたことで、油絵具では乾燥が遅くて不可能)。アトリエは狭く、彼の大きな作品を広げて描くだけのスペースはとてもなかった。

制作の秘密 川村記念美術館解説
ルイスは、自分のアトリエに他人を招き入れず、制作中は妻ですら入室を禁じていました。また、制作方法を記録したり、友人に話したりすることがなかったため、彼がどのように絵を描いたのか正確にはわかっていません。そのため、制作方法について専門家の間で様々な議論が飛び交っています。例えば、「ルイスのアトリエは4.3×3.7mの大きさにもかかわらず、どのように横幅5m以上の作品を描き得たのか?」「薄めた絵具をどうやって端から端まで均等な濃度を保ってカンヴァスに定着させたのか?」といった疑問は、いまだ解決されていません。

今回の講演ではこの制作の秘密がほぼ解明されたことが報告された。

ルイスのスタイルは大きく三つに分けられる。

三つの主要スタイル(同じく美術館解説から)

現存するルイス作品は600点以上、そのほとんどが幅3メートルを超える大作です。ちなみに、作家が破棄した作品も同数ほどといわれています。現存する作品群は以下3つのスタイルに大別することができます。(例示作品は一部変更)

Gimel1. 〈ヴェール〉
1954年、そして1958-59年に制作され、幾層にも流し重ねられた絵具の層が画面全体を覆い、透明感のある画面が特徴。1954年には16点、1958-59年には約120点が制作されています。

 《ギメル》 1958年 川村記念美術館 ©1958 Morris Louis

Deltam_22. 〈アンファールド〉
カンヴァスの両端から中央にむけて、鮮やかな色彩の絵具が流れ、中央に白い余白を残した作品。1960-61年に制作され、120-150点が現存します。

《デルタ・ミュー》 1960-61年 愛知県美術館 ©1993 Marcella Louis Brenner

181 3. 〈ストライプ〉
1961-62年に制作された最後のシリーズ。細長いカンヴァスに、いくつもの鮮やかな色の帯を束状に垂直方向に流し、緊張感を孕んだ画面構成が特徴。230点が現存します。

"Number 1-81" High Museum of Art Washington Postの記事より

講演ではまず、ヴェールのシリーズの技法から解説された。

<続く>

関連エントリー
- モーリス・ルイス 秘密の色層-I
- モーリス・ルイス 秘密の色層-II
- モーリス・ルイス 秘密の色相-III

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