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2010/01/08

MONONOKE-HIME

前回に続いてTVの映画ネタだけれど、今日は宮崎駿の「もののけ姫」をTVで放映している。

封切り時に家族で近所のショッピングセンターにある映画館に観にいったのが懐かしい。

今は駅前にシネコンができてしまったので、あまり人気がなくなった小さな映画館だけれど、まだ営業を続けている。きっと経営は苦しいとは思うが、がんばってもらいたいものだ、といっても僕も全然行かなくなってしまったけど。

Am1000249 さて、もののけ姫を観た当時はよく出来たアニメだと思っていたのだけれど、その後、ネット検索していたときに、西洋的なものの見方しかできていない誤った歴史観というような話があって、そういえばそうなのか、と思ったりしたことがある。

今日、改めて部分的でしかないけれど見ていると、確かに、人間が木々を切り倒して燃料にし、森を切り開いて鉄を造る一方で、猩猩(しょうじょう)がそれに対抗して木を植えに来る、という設定は、ちょっとそれは日本の話とは違うだろうと思ってしまう。

日本では木を切る一方で植林をするなど、循環型の社会形態を保ってきたのが、明治以前の姿だったはずである。

改めて検索してみたところ、以前に読んだサイトは見つけられなかったが、同様のことがこちらに書かれていた(ちょっと難しい)。

自然と人間を対峙するものとして捉えるというのは、多分、欧米の古い価値観ではないかと思う。今では欧米でも循環型社会を目指そうという話になっているわけだが、そうした欧米的反省のような概念を日本の昔話にもちこむのはかなり無理がある。

まぁ、宮崎氏は西洋的概念で日本を表現するのが上手であるのだろう。だから海外での評価が高いという理屈にもなるのかもしれない。

これもどこで読んだか忘れてしまったが(内田樹氏のBLOGだったかも)、純粋に日本的なものというのは、海外では理解されにくいのだそうだ。逆も真なりということも書いてあったが、とにかく欧米で評価される日本の産物は、欧米人が考える日本像にマッチしたものということらしく、そういうことだから西洋的視点で日本を描く宮崎アニメが評価されるという理屈になる、かな?

でもまぁ、宮崎氏のアニメは高い水準を保っているのだろうと思う。ただ、行き過ぎるとポニョみたいな話になってしまうのだろう。

Po ポニョで特に気になったのは、子供が親を名前で呼び捨てにする場面だが、それをよしとするような価値観は日本にはなかったものだと思う。ついつい、敗戦後に「これからはなんでも西洋的なものの考え方がよいのだね」とかいう台詞をつぶやく場面(うーんと、昔読んだ石川達三の小説にあったような気がする)を思い出してしまった。

ついでながらいえば、水害をまるで何かのイベントのように描写しているのはどうかと思う。特にあの頃は水害が続いたしね。ハリウッドのパニック映画も顔負けだ。

とはいえ、僕の価値観からいえば、他の多くの人気のある日本のアニメよりはずっとよいと思うのだけどね。

しかし、もののけ姫は画面以上に久石譲氏の音楽が素晴らしいね。ずっと以前にNiftyのジャズフォーラムでこのテーマを耳コピーしてMIDIファイルにしてアップしたことがあるのだけれど、今日は時間がないので、アップできないな。また今度、部分的だけれどアップします。

2018.6.9追記:その後、Eテレで江戸時代のことを扱った番組で、大地震で災害が大きかったことの原因に木々を伐採しつくしていたことが大きかったために、それ以後、植林をするなどして自然と共存するようになったとあったし、明治になったときでも六甲山系などは禿山状態だったというのも、伐採を自由にしていたからという話を知って、自分の無知を恥じた次第・・・、ということで、この投稿はこのままにしておきます。

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コメント

遅ればせながら明けましておめでとうございます。私がこの映画を見たのはハーバーのシネモザイクだったと記憶しています。超満員の上にもう次の上映待ちの行列が出来ていて外の子供の騒ぐ声がうるさく、更には途中からまだ当時小学生だった長男が「コダマが怖い怖い」とおびえて、映画に全然集中出来なかった事を思い出します(笑。

おっしゃるように網野善彦の中世文化論、照葉樹林分化論、蝦夷の扱い、など、当時色々と物議を醸した作品ではありますが、所詮はアニメであり、また宮崎駿のワンマン映画であるのですからあまりその辺を突っ込んでも、と思います。里山については「おもひでぽろぽろ」「平成狸合戦ポンポコ」「となりのトトロ」あたりでは比較的真っ当に描いていますし,それを超えた普通の人間の踏み入れる事の出来ない原生林の世界を一度は描きたかったんだろうと、このあたりまでは私も宮崎駿擁護派でした(苦笑。

今から振り返ると、これと「千と千尋」あたりがジブリの作画・構成・脚本能力の頂点で、あとはひたすら下降線をたどっていると思われてなりません。正直なところポニョなんかは論外で、子供向けなら子供向けで変な理屈をこねるなと言いたいですね。

投稿: ゆうけい | 2010/01/12 22:23

こちらこそ遅ればせながら、明けましておめでとうございます。

まぁ、私ごときがネットの片隅でつっこんだからといって、どうということはないと思いますが(^^;、プロである限り、何事につけ、つっこまれるのは宿命でしょうね。

網野氏の名は知っているものの、本はまだ読んだことがないので図書館で借りて読んでみようと思います。ご紹介、ありがとうございました。

投稿: taki | 2010/01/14 01:00

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