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2010/06/20

大阪国際美術館

6月17日、木曜日はすごく暑い日だった。

午後1時過ぎ、地下鉄肥後橋から炎天下を大阪国際美術館まで歩いた。

Osaka 開催中のルノアール展を見に、ではなく、気鋭の現代作家、会田誠氏が公開制作展示をされているというので、その見学がメインだった。

到着したときには展示室にはおられなかったので、しばらくルノアールでも見て時間をつぶそうか・・・、といっては怒られてしまうが、平日なのにやはり人が多いのと、時間の都合もあっててゆっくり鑑賞する雰囲気ではなかったので、少々残念ではあったものの、まぁ、当り前だけれどルノアールはルノアール、本物を見ることが出来ただけでもよしとしたい。(右写真は、美術館内のロビー、地下3階からの吹き抜けになっている)

Renoir_2 特に気に入ったのは、ボストン美術館蔵の「ブージヴアルのダンス」だ。意外と注目を集めていなかったので間近で見ることが出来た。1991年にボストンまで行きながらボストン美術館に行かなかったのが心残りだったけれど、ここで3つの作品に会うことが出来たのだ。「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢」などの有名な作品は人だかりがすごくて、「とにかく見ました」で終わってしまった。

なんというのかな、ルノアールの作品というよく目にするメジャーな絵がずらずらと並んでいるのは、意外性がないという点で緊張感を持ってみることが難しいような気がする。観客が多いというのも、そして見ている人たちも知っている作品の本物をざわざわと見に来たという雰囲気が漂っているようで、そのことも緊張感を薄れさせるのかと思う。じっくりと見ればきっとそんなことはないのだろうけど。

館内は他の美術館と比べると明るく照明されており、鑑賞しやすい環境とは思うが、何となく軽い美術館であるようにも感じたのも一因かもしれない。

さて一方、ルノアール展の入場券で鑑賞できる併催のコレクション展は人がとても少なくてゆったりと鑑賞できた。逆にいえば、美術館の中にこれだけ人がいるのに現代美術に関心を持つ人はほとんどいないということが、現在の日本の美術の実態なのだろう。とても残念なことだ。

コレクション展については美術館のサイトには説明が全然ないのがとても不親切だ。コレクションの検索は一応はできるようになっているが、文字だけなのでどれが展示されていたのか見当がつかない。このあたり、美術館の姿勢にも問題があると思う。

予備知識もなく入ったので、作品名や作家名を覚えていないのだが、入口にある圧倒的に大きな作品が印象的だった。大きさというのは現代作品の表現形態の一つかと思う。僕には理解の範疇を超えた作品もあったものの、ルノアールよりは新鮮な気持ちと緊張感を持って見ることが出来た。

また、小品ではあるものの、ロバート・ラウシェンバーグ、リチャード・ハミルトン、ジャスパー・ジョーンズなどの作品、あるいはウォホール、リキテンスタインの版画もあったのは少々驚いた。特にハミルトンは初めてみたが本(the impact of MODERN PAINTS)で見ていた"Swingeing London 67"の別バージョンだったのでちょっとした感劇だった。しかし現代作家としてはメジャーなこれら欧米の作家名は知っているが、日本の作家は知らないという僕の姿勢も問題があるといわねばならないか。

これも併催の「死なないための葬送・・・・荒川修作初期作品点」は何とも不気味な作品群だが、うーむ、それ以上はよく分からない。

さて、これらの現代作品群の横の部屋にお目当ての会田誠氏の公開制作現場がある。現在、日本で注目されている中堅作家というと、会田誠、天明屋尚、山口晃という三人だと思うが、他の二氏に比べると会田氏はエログロな作品が多くて僕にはどうもなじめないところがある。しかし今回、公開制作されていた「滝の絵」はグロッティーなところはなくて、見方によってはエロチックだが一方で清楚な絵だった。解説では「宗教画」と書かれているが、そうした見方についてはそれはよく分からないとしか言えないが、インパクトのある作品には違いない。

Kokusai 作品の前でしばらく見ていると、会田氏がそそくさと現れ、作品の前にあった椅子に座ってしばし作品とにらめっこした後、制作を始めた。といってもほとんど完成しているので、微調整という感じだ。機会があれば話しかけようかとも思ったが、とてもそんな雰囲気ではなかったので、しばらく見た後、次の目的地である芦屋市立美術博物館に向かう。スケジュールが詰まっているのだった。(右は、美術館の入口を外から見たところ。この地下が美術館になっている)

しかし正直なところ、見方によってはイラスト、もっといえばアニメやコミックのような多くの日本現代アートが本当に僕の心に訴えかけているかというと、まだまだ「面白いなぁ、すごいなぁ」という域を出ない。比較しても仕方がないのだろうが、ルノアールはいわずもがなだが、川村記念美術館で見たモーリス・ルイスやバーネット・ニューマン、あるいは兵庫県立美術館でのホイットニー美術館展で見た作品群の衝撃には及ばない。こうした作品がどのように残っていくのか楽しみではあるが。

-続く・・・予定-

関連エントリー
- モーリス・ルイス 秘密の色層-I
- Picturing America/Whitney Museum of American Art
- 天明屋尚

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コメント

こん**は。暑い中をご苦労様でした。私もルノアール展に行ったのですが、この頃は電車に乗るのが大儀なので車で出かけます。中之島西でおりてそのまま真っ直ぐ行くと美術館のすぐそばに安い駐車場ができていて楽です。地上の造形はブロガーなら必ず写真に撮りますね(笑。

コレクション展のことは知りませんでした、残念です。ルノアール展は音声ガイドの松坂慶子さんの解説を聴きながらまわると結構集中できましたよ(笑。

投稿: ゆうけい | 2010/06/21 10:21

ゆうけいさん、コメントをありがとうございました。
十分な時間をとれなかったのが残念でしたが、改めてゆうけいさんの記事を読んで反芻してしまいました。
コレクション展はあまり宣伝していないのか分かりづらいのが残念ですね。本当にごく一部の人しか気づいていないようです。でも所蔵品ですからまた展示はある者と思います。

投稿: taki | 2010/06/21 23:12

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