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2012/04/30

いわさきちひろ展

迷路の館、またの名を芸術の館ともいわれる兵庫県立美術館に、いわさきちひろ展を見に行って来ました。

4月から和菓子職人として働き始めた末っ子は土日休みがないのですが、ちょうど今日が休みだったので家内と3人で行って来ました。

Chihiro連休飛び石の日で午後は雨の予報だったので午前中に出かけたのですが、駐車場はすでに満杯のため、例によって近くの量販店駐車場に車を駐めて美術館まで歩いて行きました。帰りにはちゃんと買い物をしましたよ。

展示数は約130点と少なくはないのですが、作品が比較的小さいためか、展示は別館のギャラリー棟3階のみでした。

会場についた時にはすでに入り口で長蛇の列、入場後も中は随分と混み合っていましたが、見終わるお昼すぎには入り口の列もなくなる程度にすいてきていました。皆同じ事を考えて朝から来ていたようです。

いわさきちひろの絵は誰でも知っていると思いますし、没後38年になる今でもどこかで挿絵として使われ、また絵葉書やカレンダーなどなど、未だに引く手あまたの人気作品ですから、作品についてどうこうという必要もないと思います。今回の展示でも、「あ、これ見たことある」というような声が何度か聞かれました。

展覧会の詳細を知りたい方は、下のリンクをクリックしていただくと美術館サイトにあるパンフレットのpdfファイルが開きます(そのうちリンクが切れるかもしれませんが)。

いわさきちひろ展

Chihiros独特のあの画風、とくに彼女の描いた子供の絵が好きで、学生の頃から働き始めてしばらくまでに何冊か画集などを買いました。もう40年近くまえの話ですが、その後、結婚し子供が生まれ、赤ん坊からこどもに育っていく過程での所作を見ていると、本当にちひろの絵そのままでした。今さらのことですが、彼女のこどもに対する観察眼の鋭さを感じます。

いわさきちひろの絵は透明技法を駆使した水彩画であることと、おそらくは大半が原画としてよりは印刷を前提として制作されたと思われることから、少し離れてみると画集や絵本の印刷とほとんど変わらないように見えます。多くの場合、絵本の絵と原画の大きさもそれほどの差はないということもその要因だと思います。

Chihiro2しかし近寄ってみると、紙の肌にのった水彩絵の具の微妙な起伏や表情が感じられます。

ちひろの絵は水彩のぼかしが特徴ですが、ぼかしは水彩紙を水で濡らしておいて、そこに薄めた絵の具をのせてにじみ広げていくので、いわゆる筆でべたべたと塗るのと違って、完全にコントロールすることはできない偶然性が介在する技法です。しかし迷いのない着彩を見ていると、矛盾するようですがその偶然を相当にコントロールしていたのだろうと思います。

Chihiro5
ぼかしも素晴らしいのですが、ぼかしの中にくっきりとした輪郭線は原画ならではの臨場感があります。とくに着彩でなく、ぼかしの中に白抜き(色を付けずに紙の白地を残している箇所)のくっきりとした輪郭線は迫力さえ感じました。

会場内にはアトリエも再現されています。ちひろが使った絵の具がそのままに置かれていたのをまじまじと見てしまったのは職業柄いたしかたありませんが、久しぶりに鉛チューブの水彩絵の具を見ました。

Chihiro3鉛チューブは安全性という面から、もう20年くらい前からだったか使われなくなっていて、今市場に出回っている金属製の絵の具のチューブは大半がアルミです。中には鉛の独特の柔らかさを失わないために高価な錫チューブを使っているものもあるようですが、めったにありません。

Chihirootumu鉛チューブはアルミに比べると柔らかくて絵の具を絞り出しやすく、独特の細かに凹凸の起伏に富んだ、いってみれば暖かみのある外観になりますが、アルミチューブは硬くて起伏の少ない冷たい外観になるので、よく見ると分かります、といっても鉛チューブを今見ることは、古い絵の具でも持っていない限りできないですけどね。一緒に置いてあったボトル入りのポスターカラーは中身がすっかり乾いてカラカラになったものをそのまま展示してありました。

Chihirop展示作品の中には、複製画もいくつかありました。それはちひろが使った紙が、戦後よく使われた酸性紙であり酸性紙は時間とともに劣化する宿命があるため、東京のちひろ美術館とエプソンが協力してデジタル化し、保存性のよいピエゾグラフという印刷画として再現しているとのことです。酸性紙とピエゾグラフについては下記リンクを参照してください。

ピエゾグラフ(エプソン)
酸性紙(Wikipedia)

エプソンのサイトの説明では原画が残っていないものを印刷物から再現とありますが、会場の説明では絵の具の色あせや酸性紙の劣化があるために、デジタル化して残すとありました。劣化のない中性紙が画用紙として普及したのは、ちひろの死後のことだそうです。

確かにピエゾグラフの再現性は素晴らしいものがありますが、そうはいっても原画のもつ絵の具の肌合いまでは無理だったと思います。

Chihiro4_2さて、いわさきちひろの絵というと笑顔や幸せそうな表情のこどもばかりを思い浮かべますが、一方で戦後の混乱期、特に広島で原爆に被災したこどもたちや晩年のベトナム戦争に取材したこどもたちの絵もあることはあまり知られていないのではないかと思います。私は画集にあったいくつかの絵でベトナム戦争を題材にした絵本(戦火のなかのこどもたち)があることは知っていたのですが、今回の展示でもそれらの絵は重要な部分を占めています。それらの絵の中ではこどもたちは微笑んでいません。しかし何もいえない目が強烈に訴えてきます。

原爆に取材した絵は、当時のこどもが書いた作文とそれに基づいた絵が展示されていました。しかしそれらの作文を読みかけたのですが、涙がでそうになってとても読むことができませんでした。一つだけ読んだのは、両親を原爆でなくした小学6年生(当時)の文でしたが、とても小学生が書いたとは思えないほどしっかりとした文でした。それを読んだあと、昨年の大震災あるいは阪神淡路大震災時に親を亡くしたりしたこどもたちのことが思われました。

Chihirosnow最後に、協賛の毎日新聞が購読者に毎月配っている「毎日夫人」という冊子の表紙はずっとちひろの絵が使われていますが、会場を出た通路の壁にはその歴代の表紙が載ったパネルがずらっと並んでいました。我が家も毎日新聞なので毎月この冊子が配られるのですが、表紙は楽しみにしているものの中身は実はあまりまともに読んだことがありません。来月はちょっと気を入れて読んでみようと思います。

会期は5月6日、今度の日曜日までです。

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2012/04/27

MalletKATだ!

 

Atom
いきなりの鉄腕アトム誕生のシーンですが、実はアトムと僕は誕生日が同じということになっているのだ。アトムの正式連載が始まった同じ年の同じ月に生まれ、物語で設定されているアトムの誕生月日も同じだから。ということで今月、とうとう還暦となり定年とあいなりました。

定年となっても相変わらずフルタイムで働いてはいるのだけれど、人生の節目、ここは思案のしどころで、やはり残りの人生はやりたいことをやりたい。仕事は続けなければならないけれど、仕事から自分へ中心を少しずつシフトしていきたい。

となると、やっぱり僕の場合は音楽、ジャズということになる。

たかけんさんPICKS-CLICKSさんJazzMysさん、あるいはMixiフレンド、そしてFacebookフレンドになるとこれはほとんどがプロの方々だが、みなさんがセッション(あちらではGigというようだ)をされているのをうらやましく思いつつ、しかし数年前に東京でPCKS-CLICKSさんの案内でセッションに参加したのと、Mixiの初心者セッションに参加したくらいだ。ヴィブラフォンという楽器の運搬性の悪さという理由もあるけれど、それはどちらかというと言い訳だろうね。

2004年だったか、大阪で赤松さんのクリニックに参加して以来練習を再開してこれまできたけれど、自己満足の領域に留まるばかりでなかなかと思いきって出かけることもしなかった人生だったなぁ、と先日の帰路の電車のなかでいきなり思いついた。

ひょっとするとちょうどそのときに車内で読み終えた「熊を放つ/ジョン・アーヴィング(村上春樹訳)」の影響が大きいかもしれない。凡人には少々理解を超えた突拍子もない話ではあるけれど、思い切った行動というのがこの小説の主題の一つだと思うと、偶然ではないといえるか。

とはいえ、素人が参加できるGigがあるのは大阪ばかりだし、神戸だとしても中心街までクルマを運転して行って駐車して楽器を運んで、というとなかなかと難しい時代ではある、なんていうと、赤松さんや佐藤先生におこられそうだけど(汗。

ギターに持ち替えるという手も考えないことはないけれど、やはりGigとなるとヴィブラフォンでやりたい、そうなると、持ち運びが簡単にできる鍵盤打楽器が欲しい!

となると、MalletKATだ!

左がMalletKAT、ギターではありません。右はおなじみDavid Friedmanが演奏するのはYAMAHAヴィブラフォンだ。曲もおなじみ、O Grande Amor、ナイス!

これは音源が外部のタイプだからひと世代前の機種だ。今は内蔵タイプが出ている。まぁ、しかし本物のヴィブラフォンはやっぱり音がいいなぁ。

以前にもMalletKATを話題にしたことはあるけれど、その時にはそれほど触手が動かなかった。しかし、一体あと何年Gigに参加できるのかという年寄じみた妄想も手伝って、もう一度調べてみると:

こちらに国内での扱いがあったけれど、二オクターブしかないしケースとかスタンドもないので、不便そう。

こちらはMalletKatを買った人のようで、販売サイトが紹介されていたのでリンク先で早速物色してみた。

Alternate Mode KAT

基本的にはMIDI楽器なので色んな音が出せるわけだけれど、このビデオをみる限りでは肝心のヴィブラフォンの音はもう一つな感じだ。それは、どうしてもアコースティックのヴィブラフォンとしては最高峰といえるMusser M55の音に慣れているから仕方がないのだろうけど、逆にループマシンなどを使えば、一人で何でもできそう。そうそう、Kimbraさんがソロで使っていたのはループマシンだ。

というわけで、先週からアメリカとやりとりをして、とうとう昨日、正式にオーダーしてしまった。何とも便利な世の中で来週には発送されるとのことだから、2~3週間うちには我が家に届くはず。

ということで、ちょっと興奮気味のこの頃であります。

たかけんさんが海外通販でボタンアコを購入、練習されてストリートミュージシャンを夢見ているという日記もかなり刺激になったと思います。

たかけんさんに感謝!!\\(^O^)//

PS:MalletKATデモ画像が同じもの二つになっていたのを修正しました(4/27)。

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2012/04/22

Kimbra

珍しく連続更新です、音楽ネタばかりですが。

 

先ほど書いた記事のICE MUSICが終わった画面に出ていた可愛らしけどちょっと危なっかしい感じの山本リンダを思わせる女の子のリンクをクリックしたのが、Kimbraを知ったきっかけでした。バックの人形はティムバートンのパクリですかね。

 

 

結構、はまりましたねぇ。The Sixtiesの色んな曲を連想させる懐かしさと、カラフルな画像がゴージャス(最近あまり聞かない言葉ですが)で素敵です。60年代は僕が子供からTeenagerになる過渡期&成長期で、体の中にこうしたリズムとメロディーが染みついているのか、とにかく懐かしさ一杯です。でも単なるノスタルジックではないコンテンポラリーなアート性を持っていますね、ってカタカタ言葉を羅列すんなって。

 

 

こちらはぐっと変わってブルージーな面を見せています。確かな歌唱力ですね。山本リンダというよりはアストラッド・ジルベルトに似ていますかね。

 

どの映像もどうやらYouTubeのサイトでないと見れないみたいですし、プロモーションらしいので、その内に削除されてこの記事も意味をなくすかもしれません・・・、残念!かも

 

 

これはすごいです。何だっけ、シーケンサみたいなもんか、自分の声をリピートさせて一人でコントロールしながら歌っています。最初の曲と同じですが、プロモーションビデオとは違ったライブの迫真性と本領を発揮した独自性があります、ってまた適当な漢字を羅列してるやろ。

 

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Percussion Mind Control

Facebookを見ているうちに打楽器奏者のはしくれのように錯覚してきたと前々回に書いたけれど、そんな画像をご紹介します。

 

まずはひたすらダカダカダカダカ・・・、チーンワホワホワ、ホワホワはヴィブラフォンを叩いて口を近づけてパクパクすることでワウワウ効果を出してます。画像で見るとちょっと変というかおかしい(;^^;笑。それとバーを弓で弾く奏法。途中で飽きるかも。

 

 

次はラテン打楽器ということですが、ビリンバウの奏法をまともに見たのはこれが初めてです。何だっけ、パターンを録音して繰り返させておくやつですね。これも途中で飽きるかも。打楽器って案外、弾いてる本人は楽しいけれど、聴く方はいつまでも同じようでは我慢できないところがありそうです。

2019.3.26修正:当初の映像が再生不可になっていたので、ビリンバウを含むルーパーを使った映像の検索でトップに出た映像に差し替えました。

 

最後は氷の音楽、氷を楽器にしている演奏です。珍しい以上のものかどうか何ともいえませんが、演奏者の話もきけます、もちろん英語ですが。

 

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Brasilian Tribe in HOT HOUSE

アンリ・ルソーの絵にまつわる小説「楽園のカンヴァス/原田マハ」にはルソーの評価は80年代でもまだ固まっていなかったようなことが書いてあるのだけれど、ルソー風の絵は僕が思うに1970年前後に結構流行っていたように思う。

Onnatatiyoどんな番組か忘れたけれど、確かTV番組のタイトルに使われていたアメリカのイラストレーターの絵がルソー風だったし、それに似た画風の日本人(多分?)の絵が伊丹十三の「女たちよ」のシリーズの表紙に使われていた。とはいえ、イラストとしての評価のようなもので、純粋に絵画的には評価がまだ十分にはされていなかったということだろう。

さて、それに加えて思い出すのが、Horace ArnoldのTribeというアルバムで、これは随分と以前にJazz Rockにまつわる話として書いたことがある。

Jazz Rock  Tribeの巻 

このジャケットがルソー風というのもその時に書いたのだけれど、もう一度その画像を検索していたら、今年になってCD化されていることがわかった。最初にみつけた芽瑠璃堂にアマゾン、HMVを比較したら、HMVが一番安くてなおかつ3枚お買い上げで30%割引キャンペーン対象品とあるので、これは何かないかと検索、ただし検索はアマゾンが圧倒的に便利だ。

Hot_houseFacebookでGary Burton、Chick Coreaのデュオアルバムが発売されるという情報を得ていたので、まずはそのHOT HOUSEを二枚目にして、三枚目は同じくFacebook情報なのだけれど、これはフレンドのArthur Lipner/Nanny Assis両氏の共演アルバムBrasilian Vibesにした(リンク先に飛ぶとデモ演奏が流れます)。

Cd_cover_bigArthurさんはアメリカのヴィブラフォン奏者だけれど、よくブラジルに行くらしく、このアルバムはブラジルの歌手Nannyさんとの共演盤だ。このアルバムは実はNannyさんご本人から推薦されていたのだけれど、アマゾンではmp3のDLしかなかったので購入をためらっていた。けれど今回、HMVでCDがあるのを見つけたのだ。

Nannyさんというと女性のように聞こえるけれど男性の歌手で、アルバムを推薦された経緯というのは、Facebookを開いていたときに突然チャットで挨拶され、それがきっかけでメッセージのやりとりをしたのだ。一昨年末のことで、昨年に来日する予定でそのために何か情報がないかとたまたまオンラインだった日本人の僕にメッセージをくれたらしい。けれどその後、来日したという話はないから震災のために中止になったのだと思う。

Double_rainbowもとはヴァイビストのLipner氏からフレンドリクエストをいただいて、そのつながりからNannyさんからフレンドリクエストが来たので最初はてっきりパーカッション系の人だと思っていたのだけれど、歌手と知ったのはこのやりとりからだ。まぁ、ブラジル人なら誰でも一端のパーカッショニストのような気もするけどね。

その時には先に書いたようにアマゾンにはご推薦のCDがなかったので、もう一枚のDouble Rainbowを買った。ちなみにDouble RainbowはJobimの曲で、このアルバムにはO Patoなんかも入っていて気に入っている。

Tribeさて、話はもとに戻ってTribeのルソー風ジャケットだけれど、LPを引っ張りだしてみると描いたのはGilbert Stoneとなっている。1984年に既に若くして亡くなっていたがかなり売れっ子だったらしく、案の定、絵画に加えてレコードジャケットや本の表紙などを描いていたとある。最初に書いたTV番組のタイトル画もひょっとするとこの人だったかもしれない。

芽瑠璃堂にあったジャケット画像はLPに比べると色が暗くてもうひとつだけれど、それを見ていただくとルソーそのままのライオンらしき動物がいたりする。でも検索してみた他の絵を見ると必ずしもこうした絵ばかりではなかったようだ。

最後に、BrasilianはBrazilianのタイポではありません。Brazilは英語表記、ブラジルではBrasilと書くとは、たかけんさんに教わったことで、今回のアルバムタイトルもBrasilian Vibesとなっています。

せっかくなので、Brasilian Vibesの映像ご紹介。やっぱりNannyさんはパーカッションをしていました。椅子代わりにしているのが、よく見る割になんていうのか知らないけれどパーカッションで、これを叩いたりしています。映像二つ、どちらも途中で切れてしまいますが、二つ目ではNannyさんのバンデイロ・ソロが最後にあります。こういうところはまさにBrasilianですねぇ~。
 何故か「ですます」で終わるんだな。

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2012/04/15

Google恐いか?

「楽園のカンヴァス/原田マハ」の貸し出し期限が来たので、図書館にいって貸し出し延長しようと思ったのだけれど、予約が入っていたので延長できなかった。やはり人気のある本なんだね。読み終えてはいるんだけれどこの本については、また借りてから書くことになりそうだ。

だからというわけではないけれど、今日はちょっと話題を変えて、Googleのプライバシーポリシーが変わったことについて、よく分からないけれど、他人様の意見を羅列してみよう。

Cherry2ことの発端は、赤松さんが「何かヘン・・・・?」という記事で、Googleのプライバシーポリシーが何だかよく分からないことになっているので、ブラウザのGoogle Chromeを止めたという話だ。

僕にも、何となく個人情報が収集されるようなされないような、よく分からないけれど怪しそうな、という程度しか分からなかった。Chromeを使わなければ情報は収集されないかというとそれもよくは分からないのだけれど、とりあえずChromeを使うのは止めたのだ。

それからしばらくして、翻訳家のBuckeye氏がBlogに「閉じこもるインターネット――グーグル・パーソナライズ・民主主義」という記事(Buckeye氏が翻訳された本の題名)を書かれていて、それを読んでやっとその不安の正体がはっきりしてきたと思う。

TwitterやFacebookなどでは、「類は友を呼ぶ」というように、好みや意見が似た者同士が集まりやすいということがある。それに対してネット検索の結果というものはそうした個人の興味や嗜好とは無関係であると考えられる。

翻訳に限らず仕事であっても個人的な趣味であっても、ネットで情報検索する場合には、自分の検索テクニックの巧拙や傾向というものはあるかもしれないが、バイアスのかからない検索により思わぬ情報との出会いが期待される。しかしそれがどうも違ってきているようだ、というのがBuckeye氏の意見であり、また赤松氏が「何かヘン」と感じられたことだと思う。

Amazonでもそうだが、ユーザーが何かをした情報が収集され、それに基づいてその嗜好にあうような情報が提供されることで利便性が上がります、というのがどうも最近のネットの傾向のようだ。

自分の欲しい情報がより手軽に得られる方向にあると考えることもできるが、一方では情報がどんどんと偏っていくことにもなりかねないし、考え方によってはそれを推し進めている企業が情報操作をしているともいえそうだ。

Cherry1考えてみると思い当たるのが、僕はヴィブラフォンを弾いているとはいえ、もともとはギターを弾いていて自分を打楽器奏者とは認識していなかったのだが、Facebookを始めてからは世界中の打楽器奏者からフレンドリクエストが来て、やがてウォールは打楽器関連の情報であふれるようになり、僕自身が知らぬ間に打楽器に興味を持ち始めて、自分も打楽器奏者のはしくれではないかと錯覚しだしたことだ。

これはFacebookのよい面とも考えられるが、一方では恐い面でもある。もちろん僕自身が打楽器奏者のはしくれと錯覚したところで何も悪いことはないからいいのだが、明らかなのは知らないうちに人の嗜好あるいは思考に影響を与えることが可能だということだ。

これがどこまで進展するのか、あるいは許容されていくのかはまだ分からないが、ちょうど大阪市の橋下市政にも感ずる思想統制のようなものまで進めようと思えばできないことではないかもしれない。詳しくはBuckeye氏のBlogをお読みください。内田先生のご意見(教育の危機と再生)にも通ずるかとも思う。

教育というと、昨年の記事だけれど村上龍氏がRVRで北朝鮮の教育の恐さ に言及(金正日死去と北朝鮮のこれから)していた。自称人工衛星打ち上げは失敗したけれど、体制崩壊というようなことはどうもなさそうだ。

ちなみにBuckeye氏はあの「スティーブ・ジョブズ」の翻訳者で、翻訳業界では著名な方ですが、昔のパソコン通信時代のNiftyServeにあった「翻訳フォーラム」のモデレーターをされていて、その頃にコメントをいただいたりしたこともあります(もちろん、Bucheye氏は覚えておられないでしょうが)。翻訳フォーラムはその後もコミュテックスでほぼ同じ形体で「翻訳フォーラム」として続けられています。以前は時々覗いたりしていたのですが、最近は疎遠になってしまっています。今でも年に数回程度しかないけれど翻訳の仕事というよりはバイトをしているのですが、隠居後の楽しみの一つが翻訳をもっとすることなので、その頃には翻訳フォーラムに復帰することもできるでしょう。

いつになく趣味とは関係ない硬い話になってしまいました。画像は内容とは全然関係なくて、昨日、家内と犬の散歩に出かけた際に通った近所の川沿いの桜並木と無舗装の小路一杯に散った花弁です。その気になってみると、桜の木ってそこら中にありますね。

 また途中から「です、ます」調になってしまった・・・

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2012/04/14

Hung Up Maddona vs.ABBA

僕にしては似合わないマドンナのYouTube映像です。CMが最初に出るかもしれませんが我慢してください。

例によってFBで紹介されていた映像ですが、あれ、このリフはどこかで聴いたことがあるぞ、と思ったら、ABBAの曲からのサンプリングなんですね。この曲を作るにあたってABBAに頼み込んだというだけあって、効果的にリフを使っています。2005年リリースの大ヒットで記録だらけの曲だそうですが、それも例によって僕は全然知りません。マドンナも決して若いとはいえない年齢だと思いますが、若々しいですね。

 ハング・アップ(Wikipedia)

こちらはオリジナルのABBAの演奏、途中で見せる踊りは、マドンナの映像のダンスと比べると隔世の感は否めませんが、曲そのものは1979年という年代を感じさせないと思います。ちょうど社会人になったころで家内がABBAが大好きで、僕もよく聴いたので懐かしいです。

ついでながらABBAのFernandoのSpanish Version、その昔、FMで一度だけ聴いたことがあって、英語とは全然違った哀愁のある言葉の響きが印象に残っていて、また聴いてみたいとずっと思っていたので、YouTubeで見つけた時はうれしかったです。

最後は、ChiquititaのSpanish/English Version。スペイン語圏で大ヒットとなったそうです。

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2012/04/08

楽園のカンヴァス 読みかけ

ゆうけいさんお勧めの「楽園のカンヴァス/原田マハ」を図書館で予約して、先週やっと借りることが出来たので読んでいる。

Canvas_2一気に読んでもいいのだけれど、何しろ通勤電車の中でしか読まないし、好きな美術を題材にした小説だから、色々と考えたり想像したりしてゆっくりと楽しみながら読んでいる。

小説については僕がごちゃごちゃ書くよりも、ゆうけいさんのブログをご覧いただいた方がよいと思うから書きません。しかし美術に関心がないと面白さも半減ではないかな。他人事ながらそんなことが気になってしまう小説ではある。

原田マハという作家は実は全然知らないのだけれど、公式サイトというのを見るとかなり売れっ子の作家で、作品も映画化されたりしているらしい。経歴も相当に華やかというか、しかしこれだけの経歴だからこそこの小説も書けたのだろうとも納得できる。

ただ、僕がどうこういえるもんでもないけれど、文章力としては超一流とはいえない気がするけどね。まぁ、同時に読んでいるのが村上春樹訳の「熊を放つ/ジョン・アーヴィング」だから比較するのも酷かもしれないけれど、時々わざとらしいというか作為的な表現があったりするのが気になった。でもストーリーにどんどんとのめり込んでいくとそれもあまり気にならなくなったから慣れてしまったのかな。

さて、どうでもいいことなんだけれどちょっと気になったのが修復士(コンサバター:Conservator)という語だ。コンサバターとは絵画を保存修復する専門家だが、普通は修復家と訳すことが多い。

英語だとConservatorですんでしまうけれど、日本語で修復家といってしまうと何となく独立して活動している専門家をイメージしそうだ。しかし小説の中に出てきたのはMOMA(ニューヨーク近代美術館)の中の修復部門で働いているコンサバターだから、修復家というよりは修復士といった方がふさわしいということだろう。僕は今までconservator=修復家と思い込んでいたのだけれど、修復士ということもあるようだ。

Crいや、それもあるけれどここでちょっと悩むのが、conserveという言葉だ。例年、仕事関係で参加し所属もしているのが文化財保存修復学会だけれど、ここでも保存と修復という語がならんでいる。直訳的には、保存はConservation、修復はRestorationであって、英語ではそれを行う専門家を指す言葉として、ConservatorとRestorerという言葉がちゃんとある。ただ英語でもconservatorを保存を専門にする人として区別しているかというとそんなことはなくて、ひっくるめて日本語でいう修復家という意味でconservatorということも多いらしいのでややこしい。

ちょうど学会の会報(通信)が来たところなので(いつもはほとんど読まないけど)、ちらちらと読んでみたら、E.C.C.Oというのがあって、これはthe European Conference of Conservator-Restorers' Organizationsというそうだけれど、ここでは二つの語をハイフンで結んでしまっているのだねぇ、ヨーロッパでも区別してないってことかな。

その記事によると、ドイツが「いわゆるボローニャ・プロセス(何だか知りません)に従い、修復家(ほら、学会でも修復家と書いている)の資格として欧州共通の学位習得システム」を導入したことを受けて、E.C.C.O.は正式な修復家資格を大学での最低5年間の履修課程に相当すると定めた。しかし旧制度ではもっと長い修業期間が要求されていたのに対し、現在では高卒後3年間の教育(バチェラー)でも一応は修復家といえることになってしまった。専門家はこれに対し「滑稽な過ち」、「盲腸の手術を、まだメスも持ったことのない医者にさせるようなもの」と批判し、伝統技術に熟達した修復家はいなくなるだろうといっているそうだ。

このように最近は未熟な修復家でも文化財の修復をすることが可能になったことから、低水準の修復に伴う問題やら、中には裁判沙汰まで起きているとか、この分野でもアウトソーシングとか安価な労働力への傾斜などが質の低下へとつながっているようだ。うーむ、大変だな。

Durerそれから「デューラーは貸し出しません!」という記事があった。ミュンヘンのアルテ・ピナコークが所蔵するデューラーの「毛皮の上着を着た自画像(28歳の自画像):1500年」を、デューラーの生地であるニュルンベルグの美術館が今年予定のデューラー特別展覧会に是非と貸し出しを申し入れたら、所蔵先の絵画修復部門から、絵画の痛みと構造の脆弱性から貸し出しは無理と拒否され、それがバイエルン州議会の激しい討論にまで発展したという。この論争は「文化財を守る修復家の判断は政治的駆け引きに勝るか?」という象徴的な出来事として注目を浴びたのだそうだ。

あれあれ、小説と関係ないことで脱線しているうちに時間が過ぎてしまった。本当は小説に登場する絵画の画像なんかをネットで探し出して羅列して何か書いてみようなんて考えていたんだけれど、また読み進んだら書きましょうか、どうしましょうか・・・

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2012/04/06

またしてもFB音楽ネタ

あいかわらずFBからの音楽ネタ、自分用のメモみたいなものです。

まずはFBフレンドでオランダの打楽器奏者、Vincent Houdijk氏のヴィブラフォンソロのビデオ。新しいアンプとヴィブラフォンの試奏のようだけど、アンプの中で回転しているのは何だろう?

ヴィブラフォンとアンプは、世界で唯一、ヴィブラフォンだけを製造しているというオランダのvanderPlas Baileoというメーカーのものだそうです。このメーカーは色んなヴィブラフォンを作っているようですが、これはピックアップのついた、Cから始まる3オクターブ半のヴィブラフォンだね。

このメーカーでは、バーがメタリックブルーというちょっと粋なヴィブラフォンがあります。一度弾いてみたいものです。

(2016.12.3訂正:アップしていた画像は非公開で再生できないことがわかったので、類似の映像に置き換えました)

VincentさんのFBページを見ると、いろんな打楽器を演奏しているなかなかとハンサムな青年で、真面目顔のタキシード姿でオーケストラの打楽器をしたり指揮もしたりする一方で、愉快な面もあったりする好青年というのが僕の印象です。ヴィブラフォンではもちろん、ジャズを演奏しています。

FBフレンドの多くは彼のように正規の音楽教育を受けたプロの人が多くて、僕のような素人はちょっと肩身が狭い。多分彼らは、僕もプロだと勘違いしてフレンドリクエストをくれるんだろうなぁ、と思います。次はVincentさんがドラムを叩いている大道芸人風の演奏。

最近、注目しているヴィブラフォン奏者はこのVincentさんともう一人、ロシアかな、どっかあの辺(いい加減ですが)のAlexei CHIZHIKというプレイヤーです。この人、右手2本、左手3本という変則的な5本マレット奏者ですが、二本マレットだったりもしています。グリップは何だかよく分からないけれど、スティーブングリップとバートングリップの混ざったような変わった持ち方のようです。リラックスしたゴキゲンな演奏のビデオがたくさん、YouTubeにアップされています。身体の動きがなんだか操り人形みたいですが、軽快な演奏ですね。

 

最後は台湾のフレンドが紹介していた武満徹氏の映画音楽に関するビデオ。埋め込みがうまく出来なかったので、リンクのみです。

Toru Takemitsu: Music for the movies

僕はあまり武満氏の音楽を聴いたことはなくて、TVで一度か二度か、有名なNovember Stepsを少し聞いたことがあるくらいで、その時もなんだか難解な音楽と感じて最後まで聴くことはありませんでした。

だから武満氏が作曲した音楽はほとんど知らないのですが、氏が編曲したギター曲集は持っていることは以前にこのblogで書いたことがあるし、またYouTubeにある村治佳織さんなどの演奏を聴いたりはしたので、その独特のハーモニーによるアレンジには強く魅かれるものがあります。

難解だと思った氏の音楽も、このビデオを見ると何となく理解できるかもしれないと思うのですが、長いのでまだ1/4くらいしか見ていません。時間ができたときにゆっくりと見たいと思います。

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