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2012/06/20

勉強するひと

先週の金曜日だったか、通勤の帰りの新快速で運良く大阪駅から座ることができた。

列の端なので二人ずつが向きあわせになる席の進行方向に向かった通路側に座った。

大阪駅でも神戸線(東海道線)は関西では特に乗客が多い路線になると思うが、それでもむちゃくちゃに混むということはほとんどない。通路に立つひと達もギュウギュウ詰めというわけではない。

僕が座っている席の斜め前あたりに若い女性が立っていたので何気なく、いや意識的かもしれないけれど、見上げたら「教員採用試験」という本を読んでいた。いや、試験の本だから読むというよりは勉強していたというべきだ。

僕は多分、村上春樹のお気楽な「おおきなかぶ、むずかしいアボカド」を読んだり読まかなったりというところだった。

芦屋あたりだったか、僕の前の席があいたので、その女性は僕の前に座ることになった。

その内に窓側の席も空いたので、自然と彼女も僕も窓側に移動する。

僕は相変わらずお気楽な本を読んだり眠ったり外をみたり周りをみたりしていたが、その間、目の前の彼女はずっと「教員採用試験」の本を一心不乱に読み、ときにはノートをだして何かを確認するような、あるいは書き込んだり、とにかく周りのことは目に入っていないという様子だった。

新快速は大阪駅から西明石まで40分くらいかかるが、その間、休むことなく勉強をしていた。

すばらしく美人、というわけではないけれど、すこしつり目がちの個性的な顔立ちで、肌が白くて綺麗な魅力的な女性だった。けれど、その集中して勉強している姿が一番美しく見えた。若さは可能性と同義、という言葉があったかどうか知らないが、その言葉通りに未来が見えそうなほどだった。ジロジロと見るわけにはいかないけれど、周りのことなど眼中にないという風でもあったのでついつい見てしまった。

子供の頃、こんな先生が担任だったらよかったなぁ、となんとなく思った。そういえば小学校では一年と三年が女の先生だったと思うけど、おばさんだったなぁ。中二もおばさんだった。生意気かとも思うが、子供心にも魅力的に映るひと達ではなかった。

もう大学生のころからか、こんなに熱心にずっと集中して勉強しているひとの姿をみたことがなかったように思う。

なんだか清々しい気持ちで僕は西明石で降りたけれど、新快速は「教員採用試験」に没頭した彼女を乗せたまま走り去っていった。

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