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2012/07/08

Bradbury & Voneegut after 1Q84

レイ・ブラッドベリが先月亡くなったことは、ゆうけいさんのブログで知って、またPICKS-CLICKSさんも記事にしていて、どちらにもコメントを書いたのだけれど、僕はFacebookに萩尾望都の「ウは宇宙船のウ」の表紙画像とともに書いたのだった。

R_is_for_rocket

Mr. Ray Bradbury passed away this month. His novel "The October Country" is one of my best favourite books.
The image is a cover of a comic book of "R is for Rocket" by Moto Haghio, Japanese comic artist.

そしたら高校の先輩から「たんぽぽのお酒」についてのコメントをいただいたのだが、高校から大学にかけてブラッドベリの本は割りと読んだものの「たんぽぽのお酒」は読んでいないと返事したら「オヤ、残念!」といわれてしまったので、例によって図書館で借りてきて読んでいる。

Facebookのコメントにも書いたのだが、学生のときに原書を買って読もうとしたものの、当時の英語力ではまるで歯が立たずにすぐに挫折したために読んでいなかった。なぜ訳本を読まなかったのかと考えてみたら、この本は単行本しか出ておらず値段が高いのでそれでためらっていたところに、どこかの本屋で原書が割りと安く売っていたので一度は挑戦してみようと買ったのだった。結局読まず終いだったけど。

現在、3/4ほどまで読み進んだところだが、読み始めてしばらくはストーリーが頭に入らずに何を読んでいるのかよく分からない状態でなかなか読み進めなかった。しばらくしてやっとこれは詩を読むようなつもりで読むとリズムがとれることが分かって、それからはどんどんと読み進むことができるようになった。

というところで本当に文庫本が出ていないかどうか、アマゾンで調べてみたら、書評に☆一つというのがあったのでどういうことかと読んでみたら、原書は素晴らしいが訳が悪いのだそうだ。

「何かが道をやってくる」(以下「何かが~」)に関して”NYC’s no lark”様がレビューを寄せられており、「原作は星5つ、翻訳は星1つで、総合評価3」と評価されています。全く同感。

翻って、この「たんぽぽのお酒」、訳書のカバー(旧版)には、『特に若い世代のために書き下ろされた』とのコメントが付されていますが、まずは、本国である米国を始めとして、「本作を、そのように位置付けている国は、日本以外には無い」ということを、指摘申し上げたいと思います(勿論、ブラッドベリ先生自身も、そんなつもりで執筆されたのではありません)。

我が国では、出版以来、米国で謂う処の、いわゆる「 ”young adult” 向け」の本 (我が国の風習に照らして喩えるならば、「文部科学省推薦図書」)の如き位置付けをされ、翻訳者の方も、出版社の企図に沿ってでしょうか、「子供向け」の文体で統一し、訳出されておりますが、原典から入った人間(或いは、将来的に、原典から本作に触れる方々)にとって、これ程、違和感のある翻訳はありません。(後略)
(ByRBファン)

僕は読んでいてあまり違和感はなかったのだけれど、う~む、こうなると原書を探しだして再挑戦してみないといけないかなぁ、などと思ったりするが、まぁとりあえずあと1/4しかないのでこれを読み終えよう。僕にはこの訳が悪いとはあまり思えないのだけれど、読んでいて宮沢賢治をかなり意識した文体ではないかと思ったりはする。

といいつつ今日は図書館に行ったら突然カート・ヴォネガットの名前を思い出して、とりあえず一番薄い「追憶のハルマゲドン」を借りてみた。カート・ヴォネガットはまた例によって村上春樹の本に出てきた作家だ。

Armageddon今日は梅雨時とは思えないほどあざやかに晴れわたった空に湿気のない風のおかげであまりに気持ちがよかったので、図書館からの帰路、家内が買い物をしている間にマーケットの日陰にあるベンチにすわってヴォネガットを読み始めてしまった。

この本はヴォネガットの死後に出された本だけれど、しばらく読んでいる内に「あぁ、なるほど確かにこれは村上春樹が影響を受けた作家には違いない」と思ってしまった。けれど村上春樹のようなスノブな感じはしないかな。まぁ、本当は原書を読んだ上でそいうことをいうべきなんだろうけど。

村上春樹については話題作の「1Q84」を含めて何冊か続けて読んだけれど、その後に叙情的なブラッドベリを読んでしまうとちょっと村上さんはもういいや、というよりはもううんざりしてきて当分は読まないだろうと思う。以前にも同じようなことがあったから、そのうちにこの村上病とでもいう症状も治まるとは思うけど。

「1Q84」はぐんぐんと惹きつけて読ませる本ではあるけれど、うーん、何だかなぁ・・・。

村上氏がオウム問題について周到な調査を行って書いたという「アンダーグラウンド」や「約束された場所」を僕は読んでいないので軽率なことはいうべきではないのだろうけれど、そのような調査の上に書かれた本であることを別にしたとしても、明らかにオウムを思わせる宗教団体とそのリーダーがあの扱いのままで終わってしまってよいものなのか。

う~む、こうなると村上病を押してでも「アンダーグラウンド」と「約束された場所」を読んでみるべきかなぁ。

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コメント

 こん**は。私もこれを機会に図書館で借りて「タンポポのお酒」を読んでみたのですが、何故か昔夢中になって読んだほどには没入できませんでした。やはり瑞々しい感性を持つヤングアダルト向けなのかも、と思っていましたが、翻訳の影響も大きいんですね。とはいえ原書を読む力量も時間もないです(苦笑。

投稿: ゆうけい | 2012/07/09 09:19

アマゾンの原書の画像に原文の最初のほうがありますね。

最初のところをみただけですが、原文ではずっと"he"で統一されているのに、和文では「彼」だったり「僕」だったり「少年」だったりと変えているのが、訳者の工夫かもしれませんが、かえって読みにくくしているように思います。
また原文よりも文を短く切ったり、やたらと句点を入れたりしているところも慣れるまでは読みづらかったです。
ただ、どういうところが子供向けの文体なのかは今ひとつわからないですが。

私は初めて読むので今の年齢での受け取り方しかできませんが、確かに若い頃に読めばもっと夢中になれたかもしれません。

物語の中では、子供たちの奇抜な発想や行動よりも年寄りたちの言動に共感を覚えてしまうのですが、それはそれで年齢なりの読み方だと思うしかありませんね。

投稿: taki | 2012/07/09 22:35

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