Keith Jarrett - The Art Of Improvisation
たまたま見つけたビデオ。
「Keith Jarrett、音楽人生を振り返る」というような内容でPart 1からPart 6まであり、まだ全部は見ていないがずいぶんと丁寧に取材してあると思う。
もちろん英語で字幕もないのでわからないことが多いが、1970年代初頭にジャズを聴き始めたころ、どんどんと変化していった当時のジャズをシーンを、まだジャズに対して先入観のなかった僕はそれがジャズだと理解していったわけだが、そのシーンを牽引していた人たちが次々と現れるので、当時のことが思い起こされて非常に感慨深い。
Part 3の始めに一瞬だけ、"Gary Burton & Keith Jarrett"のLPジャケットが出るが、これはPart 2からの続きなので、興味のある人はそちらから見ていただけたらと思う。僕が初めて買ったGary Burtonのアルバムが確かこのLPだったが、軽音楽部の先輩に勧められてなんとなくヴィブラフォンを始め、さらにJazMys氏からGary Burtonのスタイルを勧められて4本マレットを始めて、それが今に至っていることになる。このアルバムのことがPart 2の終わりとPart 3の始めに分かれてしまっているのが少々残念だ。
続いてMiles Davisバンドに加わった話があるが、それよりも僕にとって思い出深いのはアルバム"Facing You"についての話だ。このアルバムも初めて買ったECMオリジナル版で、その後のKeith Jarrettのソロ演奏の始まりとなるエポックメイキングなアルバムなんてことはまだ誰も知らなかったときのことだ。Manfred Eicherが動いて話しているのを見るのは初めてだ。
鯉沼氏が日本での事情を説明しているが、日本がそんなに彼にとって重要な舞台だとは知らなかった。一度も日本でのソロコンサートに行かなかったのが悔やまれるといえないことはないが、ソロも僕にとってはケルン・コンサートに尽きるような気がする。Keith Jarrettは、初来日のアメリカンカルテットを大阪まで聴きに行ったのが最初だが、同時に今のところはそれが最後だ。
Chick Coreaとモーツアルトのピアノ連弾は当時、TV放映があって録画したがあまり興味がわかず消してしまったと記憶している。でもいま見てみるとまた違って見える、というか聴こえる。画像も音質もあまりよくないがYouTubeにいくつかアップされている。
今はYouTubeで手軽に聴け、便利な時代になったものだと改めて感じるが、便利な一面で、苦労しなくなって失ったものもあるよなぁ、とも思う。
これを見ていて感じたのは、僕にとってのジャズはリアルタイムで経験した70年代に始まりそれに尽きるということだ。それ以前のジャズは後からクラシックのように知ったものだったし、80年代には段々と興味が薄れていってしまったのだった。
恐らくはそれぞれの世代はそれぞれに多感な年頃に経験したものを自分のものとして自分の中に残していくのだろうと・・・、わかったような分からないような話に終始してしまった。
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コメント
激しく同意します。特に最後の文節部分。
それでいくとボクの場合は1960年代の後半ということになりそうです。モダンジャズ~ハードバップという感じで、これが70年代に入ると随分と革新的になったという気がしました。
投稿: たかけん | 2012/10/01 18:44
やはり、世代による違いがありますね。
70年代は後のフュージョンにつながる流れの始まりだったのだと思いますが、同時にヨーロッパの動きも活発で刺激的でした。
ただ私はクロスオーバーとかいいだした辺りから段々と興味がなくなってしまいました。
投稿: taki | 2012/10/02 00:16
キース・ジャレットが書いた本を持っているんだけれども、老後の楽しみにしようと思ってまだ読んでません(そろそろ「老後」だという声もあり)。
投稿: Picks Clicks | 2012/10/04 21:59
あの本はいつも行く図書館においてあるので、借りて読んでみましたけど、途中までしか読まずに返してしまいました。小澤さんと村上さんの本と同じようにあんまり頭に残らない類かもしれません。
最後の楽譜がその後はカットされて貴重だということでしたが、ネットで楽譜が公開される時代になってしまって、そういう希少性はなくなってしまったようです。
投稿: taki | 2012/10/04 22:43
え?! 最後の楽譜?
と思って見てみるとたしかにありますね。Facing Youの中の曲なんかを採譜したものらしい。
投稿: Picks Clicks | 2012/10/07 12:58
アマゾンの書評だったかなんだったかで、楽譜のあるのは初期の版で、その後は一部内容が変えられたり楽譜がカットされたりしたとか書いてあったと思います。
お持ちの楽譜の載った本はレア版らしいですよ。
投稿: taki | 2012/10/07 18:51