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2012/12/10

ゴドーを待ちながら

先月の還暦同窓会のエントリーで書いていたように、今日は芦屋の山村サロンでの、北辰旅団によるサミュエル・ベケット原作の「ゴドーを待ちながら」を家内と一緒に見に行って来た。実は劇を実際に見るのは高校の文化祭での演劇部によるどちらかというとつまらなかった劇以来で、プロの劇は初めてだ。

Godot開演は1時半なので11時ころに家を出た。12月とは思えない寒さで雪がちらつき、電車の中からみた六甲山は雪で白く煙っていた。芦屋についた12時頃には晴れてきたが、六甲山はもう雪がつもるのではないかしらん。

山村サロンは駅前商業施設のラポルテの3階にある。時間の余裕は十分にあるので、まずは食事をしてから会場に行こうとラポルテの西館をウロウロしたのだけれど、芦屋駅前といえどもこの不景気、シャッターの降りた店も目に付くなんとなくうら寂しい気配が漂っていたので、結局、本館正面で目についたホテルのレストランでランチを食べたのだった。

Hotel_3ランチはお値段も味も妥当なところかな。しかし芦屋駅前でホテルって誰が泊まるのかな、芦屋で観光って特になさそうだし、観光に来るなら神戸を中心にするだろうし、ビジネスというのもあんまりなさそうだし、芦屋の邸宅めぐりとか?などとアホらしい話をしながらデザートを食べ終わった頃にはちょうど開場の1時になった。

山村サロンは、劇場としては小じんまりとした、能舞台を中心としたホールだ。阪神淡路の震災後に一度ここで同窓会があった時に来ているのだが、どうもあんまり覚えていなかった。

Salon観客はあまり多くなく椅子も50脚くらいだろうか。

とても居心地のよい雰囲気の中で、「ストーリーは特に展開せず」とWikipediaにあったので途中で眠くならないだろうかという懸念もあったが、始まってみれば劇に引きこまれて、むしろ力が入ってしまうほどだった。

右上の写真の中央最前列で見たので、迫真の演技には自分の体も自然につられて動いてしまうほどで、それは何だかジャズのソロを聴いている時の感覚に似ている気がした。

不条理で風刺の効いたストーリーは、にわかにはわかりづらいところが多いが、それでもとても充実した時間で、2時間あまりとは思えないほどに、あっという間に過ぎてしまった。だからストーリーをじっくりと噛み締める余裕もなかったので、本で読みなおしてみたいと思うが、いつも行く図書館のウェブで検索しても置いていないようだし、本は2000円以上で高いし、どうしようかな。そういえばベケットの訳本はいずれも高いので何とかしてもらいたいものだと、演出の北野辰一氏が開演前におっしゃっていた。

出演は5人しかいないので誰が主役とも言いがたいが、主要な役であるディーディーを演じ、また山村サロンの経営者でもある山村君は高校1年の時の同級生だ。高校当時から飄々としたちょっと変わった文学青年だったような記憶がある。文学青年とはまたいい加減な代名詞を、と彼からはいわれるかもしれないが、当時はあまり文学に関心がなかった僕にしてみると、他の同様に文学青年らしき級友と何やら難しそうなことを語り合っているように見えたのだった。

終了後、出口のところに出てきていた山村君に挨拶をして帰ったが、卒業以来40年あまりが経ってからこのような形で再会するというのは、仕事、生活、しがらみといったものとは縁のなかった若いころの自分と、長々と生きてきた結果の今をつないでこれからの時間を豊かにしてくれるように思えて、ありがたいものだと思う。

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