Vibraphone Maintenance - ゴム交換 最終章
先週は派生音のゴムを交換したので、今日は基音のゴムを交換する。
でもその前に、前回、シリコーンオイルをつけすぎてノイズが出ていたので、交換したゴムをアルコールで拭いてオイルを取り除いた。そしたら見事にノイズ解消。めでたし、めでたし。
では、基音を全部はずして古いゴムをはずしていく。カッターを使うことも考えたけれど、ピンや本体を傷つけたり、下手をすると自分が怪我しかねないので、前回と同様にニッパでカットして外す。
前回にやって慣れていたので割りと要領よく進んだ。写真のゴムが割れているのは、ニッパで引っ張ったからではなく、古くて劣化し硬化してすでに割れていたのだ。
はずした古いゴム。シートの上に黒い点々とあるのは、老化してもろくなったためにボロボロとくずれたゴムの残骸だ。
前回、1976年頃に購入して25年以上と書いていたけれど、まったく引き算もできない大間違い。確か春先に購入したから、もうほぼ37年だ。37年もほったらかしというのもひどい話だが、長い間ご苦労様でした。
ゴムのはめ込みも要領がわかったので、俗にいうサクサクと進む・・・あんまり好きな表現ではないが、雰囲気はそんな感じ。オイルで汚れを拭きつつピンの表面を拭く程度に薄くオイルをつけていく。つけすぎるとまたノイズの原因になるからね。
はめ方は、やや斜めに少し押し込み、それから左右から両手の親指の先で押してやると、オイルを薄く塗っただけでも、スッと入る。指で直接押し込むと指先が痛くなるから、使い捨ての調理用手袋なんかをはめておくとよい。オイルで拭くときも手にオイルがつかなくて良い。念の為、仕上げにゴム表面をアルコールで拭いておくこともお忘れなく、って誰にいってるんだ。
かくして、ゴム交換は思ったよりも早くすんでしまった。案ずるより産むがやすしきよし。
というところで、音がどうなったか鳴らしてみると、おどろ木ももの木さんしょの木、今までと音がまるで違う。先週、派生音だけ交換したときも音がよくなったような気はしたけれど、よく使う基音側がまだ交換前だったので、ここまではっきりとはわからなかった。
今まではバーによって音の出方やノイズがバラバラで、中には音が伸びなくてプツンと切れてしまうバーもあり、これのどこが「(1970年代のM55とは)素晴らしい楽器ですね」なのか、というような鳴り方しかしていなかったのだけど、全部の音のバランスが見事にとれ、ノイズもなくなり、気持よすぎて・・・たまらんわ!!
共鳴管を閉じていても音の響きがぜんぜん違う。開いてみると、いやこれだ、これがMusserの音ですねぇ、そういえば購入した頃はこんな音だったんだ・・・実に感慨深いものであります。
ゴムは全部で88個交換。10個セットを9セットで2個余り、のはずが1個しかないな。古いのにまぎれ込んだのかな? 写真でみる通り、1セット900円、ということは1個が90円なり、9セット\8,100+送料\400というのは、・・・、しかしこんな小さなゴムの交換でこれだけ音が変わるんだから、まぁいいや。
・・・というわけで、今日の午後はほとんど練習に費やした。気持ちよく鳴るので練習していても今までのような音に対するストレスがすっかりなくなった。
老化したゴムがバーに接触して響きを相当に阻害していたんだね。あとは本体のガタツキ音や古くなったダンバーのノイズが残った課題だ。
今、練習しているのは、最近手に入れたDavid Friedmanの曲集「MIRROR FROM ANOTHER」の中の、"Wind"という曲。
YouTubeにあった、こんな曲、だけどそんなにうまくはないですね、といっても僕よりは上手ですが。アルペジオが速い割には、コードが続くところが今一つですな。
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