Star Wars 亡き後の地中海世界
前回に書いたとおり「Star Wars/最後のジェダイ」を見てきた。
まぁ、それなりに楽しんだけど、なんかめんどくさい話やな~、というか色んなことがツギハギで尻切れトンボで、ちょうど長い原作をあちこち切り貼りして映画化したみたいな、でもそういう原作があるわけでもないみたいな~。
ルーカスのStar Warsは、ルーカスの描く世界観があって、その上に構築された映画としてのストーリーがあったと思うけど、今のStar Warsは「船頭多くして船山に登る」みたい(ちょっと違うか)で、もう一つまとまりなく話が進んでいくという感が否めなかった。
またどの登場人物も今ひとつ存在感が薄くて脇役ばかりで作った映画という感じで、それはそれでいいんだけど、印象が散漫になる原因でもあるかと思う。ルーカス版では、主役、脇役ともにそれぞれが存在感があったんだけどね。
ヒロインのレイも今ひとつで、ルーク~ヨーダのときの描写と比べると、あんまり訓練を受けてるとか成長してるという感じがしなくて、自分で勝手に空回りしているうちになんとかなった、みたいな。
まだ悩めるカイロ・レンの方が存在感はあったかな。でもこれも悩めるアナキン~ダース・ベイダーの焼き直しといえばその通りで、どっちも面倒くさいやつというのも一緒だ。
最高指導者スノークなんて、最高権力者というわりにはシスと比べれば全然底が浅い小物というか、ほんまに作り物にしか見えなかった。
まぁ、一昨年も書いたけど、スペース・オペラなんだから、あんまり考えずに楽しめばよいんだけど、ちょうどバローズの火星シリーズとかハワードの英雄コナンシリーズでも、原作者が亡くなったあとに別の作者が引き継いで書いたものは今ひとつ面白みに欠けたのと同じ道を歩まざるを得ないというところかな。
で、やっと「ローマ亡き後の地中海世界(上、下)/塩野七生」を読み終えた。
下巻ではマルタ騎士団(聖ヨハネ騎士団)がスペインのカルロス王からマルタを与えられて(実質はイスラム最前線に配置された)から、イスラムの攻撃を辛くも撃退したあたりまでわりと詳しく描かれいて(マルタ攻防記)、また今のマルタとの違いや共通点も若干ながら書かれていてとても面白かった。
中世~ルネサンス以後までの、キリストとイスラム、そしてイタリア海洋国家やヨーロッパ覇権国家の海軍と、オスマントルコにトルコ海軍、サラセン海賊との千年以上にわたる複雑な抗争を読んでいる最中だったので、スターウォーズも本来は単純ではないところを単純化しようとしたような、でもルーカス世界のようにはすっきりとしなくて中途半端感が残ってしまったかも・・・、ってなんかわかったようなわからない話だけど、事実は小説より奇なりというところか。
これはマルタ本島北側のゴゾ島中央の町ヴィクトリアにあるチタデル要塞。
といっても地中海世界について書こうとすると、もう読んだ内容もぼやけてきているし、考えるには時間がかかりすぎるし、今日は冬休み最後の日なので、これでお終い(^_^;)。
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