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2018/04/30

スウィングしなけりゃ意味がない?

これはApril Foolの日に、「スウィングしなけりゃ意味がない/佐藤亜紀」を読んで、と題してFacebookで書いた個人的覚書だけど、またFBの中に埋もれてしまうのでここにアップしておこう。

Swing ジャズはフォックストロットやチャールストンなど、白人のダンスのための音楽だったそうで、ジャズは時代をさかのぼるほど黒人らしさが薄まるという話がある。

岩浪洋三氏の本にあるらしいが、「ジャズの4ビート、つまりはスウィングは白人の要望、つまりはダンスに迎合するために黒人色を薄めてできたものではないか。70年あたりから出てきた8ビートでファンキーな音楽は、単に彼らがアフロルーツを取り戻しただけではないか」、というような質問にクインシー・ジョーンズは、「そのとおり」と答えたらしい。

アメリカ黒人音楽史の真実と岩浪洋三

ドイツでも戦前の早い時期にすでにジャズとダンスは不可分で、ジャズとダンスを熱狂的に求める、日本流にいえば「非国民」は跡を絶たず、ナチスの取締りも充分には行かなかったというのが、この小説の大きな骨格になっている。

要するにもともとのヨーロッパから移民した白人のダンス文化がアメリカでジャズと結びついたんだから、ドイツ人にそれが受け入れられるのも自然だったといえるかもしれない。逆輸入だ。

その需要に応える過程でだったのか、音楽としての発展だったのかはしらないが、ロマと結びついたジャンゴラインハルトのスタイルのように、ヨーロッパのスタイルと融合したジャズも出てきたんだろうと思う。

そして小説にあったように、ヨーロッパではジャズは人種差別などとは切り離されたダンス音楽として受け入れらていったことから、60年代に多くの黒人ジャズミュージシャンが差別を嫌ってヨーロッパにわたったのも至極自然な流れだったわけだ。

そうした土壌がECMに代表されるようなヨーロッパ的なジャズを生み出したという話で、まとまるのかな?

ついでにいえば、スウィングにしろファンクにしろ、アップビートからダウンビートの動きが重要だけど、ヨーロッパの音楽、たとえば指揮の基本動作(学校の音楽の時間で習ったはず)を見れば、同じくアップビートとダウンビートなのだな。

穿った見方をすれば、ヨーロッパのアップ/ダウンを取り入れてスウィングにしたのが戦前のダンス用ジャズだったのかもしれない・・・、しらんけど。

だからヨーロッパのクラシック系の演奏家は、アップ/ダウンのビート感の希薄な日本の演奏家よりずっとグルーヴ感を出せるんじゃないかと思う、たぶん。

ついでにいえば、佐藤亜紀の本によればその中心がハンブルクであったということだから、ビートルズの音楽も受け入れる器がリバプールなんかよりはずっと充分にあったということなんだろう、というのがジョン・レノンの「僕はハンブルクで育った。リバプールでじゃない」という言葉につながる、でよろしいのかな?

でもこの歌はフランス語。

なんだかVoyage次号の原稿を書いてしまった気分(^_^;)。

付け足し:

We Are The Worldという、一大チャリティーイベントというか録音が1985年にあって、これをクインシー・ジョーンズがプロデュースしているけれど、参加の若い(当時)のミュージシャンは黒人、白人とかそれほど気にしない世代であったのに対し、クインシー・ジョーンズはそのバランスに非常に気を遣ったという話をどっかで読んだような。それも世代による違いが現れているんだな~と思った次第。

というのは下記にあった。上に書いたようなことも出てきますな。

「ウィ・アー・ザ・ワールド」の呪い

We Are The Worldは、漫画「Blue Giant Supreme」でジャズしかやらないといっていたバンドにこの曲がリクエストされて、というのがEpisode 39にあったので検索してみたら上記と似たような話が書いてあったので、これも覚書として。

ということで、FBの元記事は削除しておこう、っていったって公開範囲は「自分のみ」だったんで、誰にもわからないんだけど。

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コメント

こういうのもあります。

http://www.eva.hi-ho.ne.jp/~mitz/NoMeanig_NoSwing.jpg

投稿: PicksClicks | 2018/05/01 13:54

この件については、昔自分のBLOGに書いていました。

http://picksclicks.cocolog-nifty.com/blog/2010/04/jazz-cef3.html

投稿: PicksClicks | 2018/05/01 13:57

PICKS-CLICKSさんのBlogに私もコメントしてましたね。

ジャズ・アネクドーツとかは未だに読んでないです。

この本はストーリーに合わせて昔の曲の歌詞なんかがうまく出てくるんですが、タイトル曲は本文には出てこないで、要するにこの小説そのものだというところがひねってます。

結構面白い本でした。どっかで誰かがいってたんですが、少女漫画チックというか女性向け青年漫画なところもあり、好みが分かれるかもしれません。

投稿: taki | 2018/05/01 20:24

赤松さんがECMのサウンドに関して書いておられるんで、もしVoyageの原稿ネタにすることになったら、という参考資料。

http://sun.ap.teacup.com/vibstation/3318.html

投稿: taki | 2018/05/03 10:27

>PICKS-CLICKSさんのBlogに私もコメントしてましたね。

そうでしたね。よく確認せずに書きました。失礼しました。

投稿: PicksClicks | 2018/05/03 11:20

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