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2019/11/30

最近の読書メモ

音楽ネタばかりなんで、読書のことでも・・・、といいつつ音楽ネタでもあるけど。

只今借りている本(いつもの稲美町立図書館)。

フルートの肖像-その歴史的変遷/前田りり子

フルート奏者である筆者が楽器の歴史を語る、ということだけど、実にそれに収まらなくて、というよりフルートという楽器がどのようにして生まれたかという、という以前にそこに至る音楽史から紐解いていくという壮大な(大袈裟か)本だ。だから音楽史なんか興味ねぇよ、という人には退屈だろうけど、僕は実に面白いのでゆっくりと読んでいる。

管楽器の原型はそれこそ石器時代からあったらしく、そのあたりから始まって、宗教と音楽の関係、グレゴリオ聖歌の時代における器楽の地位の低さから、中世~ルネサンスからバロックに至っての器楽の地位向上といった社会的側面やら、音楽様式の発展、バッハにおけるルネサンスの対位法と後の時代の機能和声的音楽への発展とか(それまでの音楽史の背景を知らないとバッハは語れないらしい)、実に興味深い。というあたりまでしか、まだ読んでないけどね。

バッハよりずっと以前は声楽に対して器楽の地位は非常に低く、また器楽は楽譜なしの即興が普通だったというのを読むと、即興なんてのは相当昔からのものでジャズの専売特許でもなんでもないし、むしろそのあたりの西洋音楽の伝統が相当に影響してるんじゃないかと思うこの頃・・・これはVoyage次号のネタになるかも?

 

古楽器フルート=Flauto Traversoの入った演奏を適当に選んでみた。

ルネサンス~バロック~ロココといった時代の古楽器は今の楽器より制約があるだけでなく響きも違うので、当時の音楽も今の楽器ではなく当時の楽器の条件で解釈しないと本来の音楽はわからないらしい。楽器の発展も機能や操作性を高めていく中で失われたことも多いようだ。

また古い西洋建築の中で古楽器を演奏すると部屋全体が鳴るような響きがして、今の楽器とは全然違うと書いてある。聴いてみたいものだね。

というところでアマゾンをみたら、辛口な評もあった。そこらはさっぴいて読んだ方がいいのかな。

ところで、著者の名「りり子」でフルートというと、林りり子という名を思い出す。関係あるのかと検索したらあったんだね。興味のある人は下記をどうぞ。

前田りり子(オフィシャルサイト)プロフィール

フリードリッヒ二世の生涯(上、下)/塩野七生-やっと読み終えた。図書館の塩野作品は残すところ、あと「ローマ人の物語」のユリウス・カエサル以後だけだ。塩野作品をずっと読んでいるおかげで、「フルートの肖像」では簡単にしか触れられていない中世~ルネサンスなどの歴史的背景も実によく分かる。

この本については、その前に読んだ「ギリシャ人の物語 I~III」を含めてFBで書いた投稿を引用しておこう。
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高校のときは世界史が嫌いだった一方で、日本史は担任の先生がとても人柄も教え方もよくて面白かったので、その後は日本の時代小説を読んだ時期があるが、今はもっぱら塩野七生の本ばかり(歴史関係ではという意味、ギリシャ時代からローマ帝国~中世~ルネサンスあたり、一部ナポレオンあたり)。

新婚旅行で初めて土を踏んだ海外の地がローマ、その次の年にはローマ、ヴェネツィアの旅をして、それから幾星霜(大袈裟か)、数年前からまたイタリア、マルタ、アイルランド、スペインと観光旅行ではあるが、塩野七生の本を読んでいなければ、旅の面白さも半分といったところではなかったかと思う。

とにかく多文化、多言語、多民族、多国家がいりみだれての権力、領土、宗教の争いはすさまじい。

歴史は繰り返すというが、現代の感覚とは違うとはいえ、ギリシャで起こった民主主義から衆愚政治へと堕していったギリシャ世界の衰退は今の日本や世界をみているようだ。

民主主義の衰退期には、将来への不安を煽る扇動者がリーダーとなり、今で言うポピュリズムによる衆愚性が顕著になるが、将来への道は示されず不明瞭なまま社会は衰退していく、というのがアテネのたどった道だ。

またローマ法によるローマ帝国の法治国家は中世になると忘れ去られ、それを復活させようとするフリードリッヒ二世に対するローマ法王庁の妨害による再度の法治国家の衰退、そしてルネサンスによる発展とまたしてもの衰退と、形を変えながら、また技術革新による社会構造の変革はありながらも、結局は人間の根本はギリシャ時代から一向に変わっていないか、あるいは退化しているのか、というのが正直な感想だ。

イスラムの寛容という言葉があるが、むしろシチリア~南イタリアにおけるノルマン統治の方がさらに寛容であったようだ、とはいえそれ以前のイスラムの寛容があったからこそ、とはいえるだろうが、今は寛容の幅がずいぶんと狭くなったと感じるこの頃。

塩野七生は最新作「ギリシャ人の物語」(2017年)をもって文筆活動は終えたとのことで残念だが、80歳のお歳までよく書いてくださったと感謝に堪えない(今年は御年82歳)。 
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というだけでずいぶんと長くなってしまった。ギリシャ人の物語についてはご本人のインタビュー記事があった。

ギリシャ人の物語完結(産経ニュース/2017.12.18)

・もっと音楽が好きになる-上達の基本-パーカッション/冨田篤
タイトルがいかにもなんで借りてみたがなんら目新しいことはなく、取り上げられているパーカッションもごくわずかで期待はずれの内容だった。「もっと音楽が好きになる」なんていう副題が恥ずかしいぞ。

ただ姿勢と脱力の大切さが最初に書いてあってこれはスティックコントロールのレッスンで最初に習ったことの再確認という意味ではよかった。この本だけで技能習得というのはまず無理・・・だから「基本」なのか。あとは先生についてちゃんと習ってね~、ってか?

・騎士団長殺し第一巻/村上春樹
出ました、今更かよ!・・・な本だけど読んでないから、そろそろ、と借りたもののフルートの本をゆっくり読んでるんで手つかず。

以上が今借りてる本だけど、これ以前にいくつか読んでるし、次号Voyageネタかなというので入手した本もあるし、読んでない本もあるし~。その中では「木琴デイズ/通崎睦美」が予想外によかったが、そのことは改めて書く予定。

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最近買った本(図書館にないから)

スペイン音楽のたのしみ/濵田慈郎
前回Voyage原稿で、ジャズとスペイン音楽のつながりを知って面白かったのでスペイン音楽史の本を探したけど、これしか見つからなかった。出だしだけ読んでみたけどなかなかと面白い。西洋音楽史の本は色々あるけどなぜかスペインは抜けてるんだな。上記の「フルートの肖像」でも今のところ全く触れられていない。

アメリカン・ミュージック再発見/中村とうよう
これもVoyage前号からのつながりで、次号へつながるか?

ジャズの歴史/油井正一
同上。以前に参考にした「ジャズの歴史物語」よりも先に出版されたジャズ史を中心にしたエッセイ集。拾い読みしているが、初版が1957年ということで文体の古臭さや時代性を感じてしまうけど、内容は充実している。

そろそろ、Voyage7号の原稿を考える時期だけど、前回のジャズ史っぽいことを調べているうちに音楽史全般、といってもほぼ西洋音楽史だけど面白いので、そこをつなげてなんか書けないかな~、なんてね。

音楽史も、塩野七生の本で西洋の歴史的背景をそれなりに知ってるから余計に面白いんだと思う。

ついでに買ったのが、上の写真の真ん中にあるCD「キューバ音楽の真実/中村とうよう編」、これもジャズ歴史関連でどんなんかな~といいつつ、まだほとんど聴いていない。

フィッツジェラルドの本(ジャズエイジの物語)はついでに置いてみただけ。Kindle英語版をDLしたのは書いてたかな、ちょっとしか読んでないけど。

ということで、FB投稿を引用したせいもあるけどずいぶんと長文になってしまった。ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。

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