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2020/10/12

最近借りた本など

最近の読書事情メモ:

今借りている本

ボルジア家風雲録(上:教皇一族の野望)
ボルジア家風雲録(下:智将チェーザレの激闘)
 (アレクサンドル・デュマ、吉田良子訳)-読了
いわずと知れた三銃士などのデュマによる、ボルジア家の歴史小説で、軽快痛快、人物や事象を切り刻むように進める筆致は塩野七生に通じるものがあり、だから塩野先生はデュマを参考にしたのではないか思わせる。
ボルジア家に関してはずいぶん以前に「チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷/塩野七生」を読んでいたが、こちらはボルジア家全体について描かれている。とはいっても概ね、教皇アレッサンドロ6世とチェーザレ・ボルジアが中心だ。
ただし、やたらと登場人物名が多く、その関係もそれほど詳しくは説明されないので相互関係がわかりにくいとか、華麗な場面があるとその描写にやたらと力を入れているので読むのが面倒になる。だがその辺りは適当に読み飛ばしていけば、痛快な歴史小説だ。
塩野七生は、チェーザレの歴史的役割とかイタリア統一の夢に焦点を当てていて(たぶん、もう記憶曖昧)、イタリアの織田信長のような印象だったが、デュマはあくまで冷酷、冷徹に自家の繁栄のためだけに物事を進めたボルジア家という書き方だ。ただデュマもチェーザレのイタリア統一の夢というのはごくわずかながら触れている。
解説によると、ボルジア家は陰謀、欲望、堕落、淫欲、その他諸々の諸悪をなしたとそれまでは思われていたが、デュマがそれだけではない歴史的な面に目を向けた最初であるそうだ。最近の研究では堕落、淫欲、近親相姦というような面はかなり否定されているらしい。

ボローニャ紀行(井上ひさし)
只今読書中、さすが井上さん、軽妙な語りが面白い。ボローニャが世界一古い大学を有することからどのような文化を育んできたかが、べた褒めな調子で語られる。べた褒めなんで、実はその裏になにかあるんじゃないかい?、と疑ってしまうのは文化的貧乏性なのか?

以下の本はまだこれから。

冬の日誌(ポール・オースター、柴田元幸訳)
図書館にあるオースターは全部読んだと思ってたら、なぜか数冊がアメリカ文学とは違う、その他の海外文学みたいな離れた棚に置いてあったのを見つけたので。また数冊分は楽しめそう。

プラハの墓地(ウンベルト・エーコ、橋本勝雄訳)
ウンベルト・エーコは上記のボローニャ紀行でボローニャ大学出身者と紹介していたのと、前に読んだ1冊がそれなりに面白かったので借りてみた。

常設展示室(原田マハ)
原田マハはお気楽に読めるかな、というライトノベル感覚と、専門の美術分野らしいから楽しめるかも。
少し前に「奇跡の人/原田マハ」を読んだが、まぁ、読ませる構成力とかお涙頂戴・感動物語の要素はあったものの、ヘレン・ケラーの日本焼き直し版、だからどうした?、ってとこはあって一時の楽しみ以上ではなかった。

巨大なラジオ/泳ぐひと(ジョン・チーヴァー、村上春樹訳)
アメリカ文学の棚のチャンドラーの横にあって村上さんの訳だったのでなんとなく、というのと短編集なんで読みやすいかな。チャンドラーは読んだことはない。

すでに返却した本:

リスボンへの夜行列車/パスカル・メルシェ、浅井晶子訳
これは改めて書いてみたいくらいに深さのある本だったが、深すぎて理解し切れない本でもある。作者は哲学者だそうで、そういう面での哲学的掘り下げには多いに惹かれるが、なかなかしんどくて読み終えるまでにかなりの時間がかかった。哲学好きには面白いだろうが、そうではない人には面倒くさくて読めねぇよ!、ってな本だろう。とはいえ僕も哲学に興味があるわけではないが、色々と思索させてくれる本は好きだ。映画になったらしいけど、原作をどこまで再現できたのだろうか?
スペインもそうだけど、舞台のポルトガルにも弾圧とレジスタンスの歴史があったことを知った本でもある。

誰もいないホテルで/ペーター・シュテム、松永美穂訳
スイスの作家による、ちょっと変わった雰囲気の短編小説集。表題作は印象に残ったが、他の短編は忘れてしまった。

どこか、安心できる場所で/パオロ・コニェッティ、他
本邦初の21世紀イタリア短篇アンソロジーだそうだが、あれ、どんなんだったか覚えてないな。

とるにたらないちいさないきちがい/アントニオ・タブッキ、和田忠彦訳
イタリア作家による短編集、表題作は読んだものの、今ひとつな印象でそのまま返却してしまった。またそのうち気が向いたら借りるかも。
タイトルが全部ひらがななので、最後の4文字がどうしても目につく(^_^;)。

というようなところで、他にも借りた本があったような気がするけど、以上。

上記の本のタイトルリンク先は、稲美町立図書館の詳細情報ページです。

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